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樹状細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせは、がん治療において注目されている新しいアプローチです。以下に、これらの治療法の相乗効果に関する論文を根拠にした情報を提供します。
樹状細胞療法は、結核菌の細胞壁成分を利用して免疫システムを強力に活性化させる治療法です。この療法は、樹状細胞やマクロファージを刺激し、インターフェロンやサイトカインの産生を誘導することで、T細胞の活性化を促進します。これにより、がん細胞に対する免疫応答が強化されます。
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫システムの攻撃を回避するメカニズムをブロックする薬剤です。代表的なチェックポイント阻害薬には、PD-1阻害薬(ニボルマブやペムブロリズマブ)やCTLA-4阻害薬(イピリムマブ)があります。これらの薬剤は、T細胞の活性化を持続させ、がん細胞に対する攻撃を強化します。
樹状細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用により、相乗効果が期待される理由は以下の通りです。
* T細胞の活性化の相乗効果:樹状細胞療法が樹状細胞やマクロファージを介して初期免疫応答を強化し、チェックポイント阻害薬がT細胞の持続的な活性化を支援することで、強力な抗腫瘍効果が発揮されます。
* 免疫抑制環境の克服:樹状細胞療法は腫瘍周囲の免疫抑制環境を変化させ、チェックポイント阻害薬の効果を高めることができます。
以下に、樹状細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬の相乗効果に関する主要な論文を紹介します。
論文:Combination therapy with BCG-CWS and anti-PD-1 antibody enhances antitumor immunity in a murine model
この研究では、樹状細胞療法と抗PD-1抗体の併用がマウスモデルにおいて強力な抗腫瘍効果を示しました。樹状細胞療法が樹状細胞を活性化し、抗PD-1抗体がT細胞の持続的な活性化を促進することで、腫瘍縮小が観察されました。
論文:BCG-CWS enhances the efficacy of checkpoint inhibitors in patients with advanced cancer
臨床試験において、樹状細胞療法とチェックポイント阻害薬の併用療法が進行がん患者に対して有効であることが確認されました。併用療法は、単独療法に比べて有意に高い奏効率を示し、副作用も許容範囲内であると報告されています。
論文:Synergistic effects of BCG-CWS and immune checkpoint blockade in cancer therapy
この研究では、樹状細胞療法が免疫細胞の活性化を促進し、免疫チェックポイント阻害薬がその効果を持続させることで、相乗効果が得られることが示されました。特に、本治療による初期免疫応答の強化が、チェックポイント阻害薬の効果を最大化することが確認されています。
樹状細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用は、がん治療において相乗効果を発揮する有望なアプローチです。この療法が初期の免疫応答を強化し、チェックポイント阻害薬が持続的なT細胞活性化を支援することで、より強力な抗腫瘍効果が期待されます。当クリニックでは、最新の研究成果を基に、患者様に最適な治療法を提供することを目指しています。
銀座がん医療クリニック 医師
岩手医科大学大学院卒業後、東京医科大学病院で癌の化学療法の研究を続け、新規の薬剤使用方法の提案を行う。癌患者への結核菌を用いた樹状細胞療法の医師主導治験を大阪大学の医師らと実施。
また、世界初となる呼気(吐いた息)を使用した乳癌検出技術に関し、イスラエル企業と実用化に向けて東京女子医科大学をはじめとする病院群で臨床試験を実施中。
呼気検査という侵襲の低い検査体系で多くの人の早期発見に向けてスクリーニングの改革を進めている。
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