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AGA治療で本当に髪は完全に治るの?
薄毛治療を考えている多くの方は「AGA治療で完治した人はいるのか」について気になりますよね。
結論から申し上げると、AGA治療で「完治」した人は存在しません。
しかし、適切な治療を継続することで、発症前と同じレベルまで髪のボリュームを取り戻すことは十分可能です。
本記事では、AGA治療の現実と可能性について、医師監修のもと詳しく解説します。
なぜAGAは完治しないのか、治療薬の効果と限界、やめるとどうなるか、そして後悔しないための治療のポイントまで、あなたの疑問にお答えします。
GCMCコラムでは、費用が安く継続治療がしやすいAGA治療がおすすめのクリニックを紹介しています。
岩手医科大学大学院卒業後、東京医科大学病院で癌の化学療法の研究を続け、新規の薬剤使用方法の提案を行う。癌患者への結核菌を用いた樹状細胞療法の医師主導治験を大阪大学の医師らと実施。
また、世界初となる呼気(吐いた息)を使用した乳癌検出技術に関し、イスラエル企業と実用化に向けて東京女子医科大学をはじめとする病院群で臨床試験を実施中。
呼気検査という侵襲の低い検査体系で多くの人の早期発見に向けてスクリーニングの改革を進めている。
「AGA治療で完治した人はいるの?」という質問に答える前に、まず「完治」の意味を明確にしましょう。
医学的に完治とは、病気や症状が完全に消失し、再発の心配がない状態を指します。
しかし、AGA(男性型脱毛症)は遺伝的要因と男性ホルモンが原因の進行性脱毛症であり、現在の医療技術では「治療を止めても薄毛が二度と進行しない」状態にすることはできません。
つまり、AGAには「完治」という概念自体が存在しないのが現実です。
完治の定義 | AGAの現実 | |
---|---|---|
症状の状態 | 完全に消失 | 治療中断で再発 |
治療の必要性 | 治療終了可能 | 継続治療が必要 |
再発リスク | 再発の心配なし | 治療停止で進行再開 |
治療期間 | 有限 | 基本的に一生涯 |
では、AGA治療の目的は何でしょうか。
それは薄毛の進行を食い止め、可能な限り発毛・育毛を促進し、その良い状態を維持することです。
フィナステリドやデュタステリドなどの治療薬は、薄毛の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制し、ヘアサイクルを正常化します。
ただし、これらの薬は服用している間だけ効果が持続する対症療法で、服用をやめれば効果は消失し、薄毛の進行が再開してしまいます。
「完治は無理」と聞くと落胆される方もいるかもしれませんが、安心してください。AGAは治療によって十分に改善可能な症状です。
適切な治療を継続すれば、AGA発症前と同等の毛量を取り戻すことも決して不可能ではありません。
特に20代などの若年層で早期に治療を開始したケースでは、より高い効果が報告されています。
重要なのは治療を継続することです。AGA治療薬による発毛効果は通常3〜6ヶ月で現れ始め、半年から1年で実感できるレベルに達します。
逆に言えば、数週間や1〜2ヶ月で効果がないと判断してやめてしまうのは時期尚早です。
AGAは早期発見・早期治療が最も重要で、発症からの経過時間が短いほど元の毛量を取り戻しやすいという特徴があります。
薄毛が気になり始めたら、躊躇せずに専門医に相談しましょう。
なぜAGAは完治しないのでしょうか。その最大の理由は、AGA自体が進行性の脱毛症だからです。
AGA(男性型脱毛症)は思春期以降の男性に発症する進行型の脱毛症で、放置すると徐々に薄毛が進行していきます。
自然に治癒することはなく、年齢を重ねるとともに抜け毛が増加し、毛髪が細く弱くなります。
何も対策を講じなければ、悪化の一途をたどるのです。
具体的な原因は、男性ホルモン(テストステロン)と還元酵素(5αリダクターゼ)の相互作用にあります。
テストステロンが5αリダクターゼと結合すると、より強力な男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。
このDHTがAGAの元凶となります。
DHTが毛根部の毛乳頭細胞にある受容体に結合すると、脱毛シグナル(TGF-βなど)を発して髪の成長を阻害します。
その結果、ヘアサイクル(毛周期)の成長期が短縮され、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまうのです。
AGAで脱毛が進行する根本的な原因は、5αリダクターゼという酵素の存在にあります。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、特に頭頂部や前頭部(生え際)にⅡ型が多く分布しています。
そのため、AGAでは額の生え際や頭頂部から薄毛が進行しやすいのです。
これらの部位でテストステロンがDHTに変換され、局所的に脱毛が促進されます。
5αリダクターゼの型 | 主な分布部位 | 薄毛への影響 |
---|---|---|
Ⅰ型 | 側頭部・後頭部 | 影響小 |
Ⅱ型 | 前頭部・頭頂部 | 影響大 (AGAの主原因) |
重要なポイントは、現在のAGA治療薬が行っているのは、原因物質(DHT)を作らせないようにする対症療法に過ぎないことです。
治療は5αリダクターゼという酵素をブロックすることでDHT産生を抑制するものであり、薄毛の根本原因を完全に取り除いているわけではありません。
テストステロンそのものや薄毛を誘発する酵素を体から完全に除去することはできないため、治療をやめると再びDHTが増加し、脱毛が進行してしまいます。
このメカニズム上、AGAを根本から治す「完治療法」は現在のところ存在しないのです。
もう一つの重要なポイントは、ヘアサイクルの変化です。
通常、髪の毛は成長期(2〜6年)→退行期(数週間)→休止期(数ヶ月)のサイクルで生え変わります。
しかし、AGAではDHTの影響で成長期が極端に短縮されます。
本来であれば長く太く成長するはずの髪が、細く短い産毛のまま抜け落ちてしまうのです。
さらに、毛が抜けた後の休止期も不規則に延長される傾向があります。これがAGAによる薄毛の進行パターンです。
ヘアサイクル | 正常な状態 | AGA進行時 |
---|---|---|
成長期 | 2〜6年 | 数ヶ月〜1年 |
退行期 | 2〜3週間 | 変化なし |
休止期 | 2〜3ヶ月 | 延長傾向 |
毛髪の状態 | 太く長い | 細く短い |
毛髪には生涯で生え変われる回数に限りがあります。
ヘアサイクルが頻繁に回転すると、その分早く毛根の寿命が尽きてしまいます。
ヘアサイクルの短縮化が続くと、毛根が繰り返し酷使され、最終的には毛包自体が完全に機能を失ってしまいます。
一度毛包が消失した部分からは、自然には髪が生えなくなります。これがいわゆる「毛根が死んだ」状態です。
このように、AGAは時間の経過とともに毛根が衰弱・消滅していく進行性の脱毛症なのです。
治療で一時的に発毛しても、原因物質DHTの影響が続く限り、常に脱毛と隣り合わせというのが現実であり、それが完治が困難な理由でもあります。
AGA治療の中核となるのが内服薬による治療です。
代表的なフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)は、前述した5αリダクターゼを阻害してDHTの産生を抑制する効果があります。
フィナステリドは主にⅡ型5αリダクターゼに作用し、比較的初期のAGAや進行が緩やかな場合に処方されます。
一方、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方の5αリダクターゼを阻害できるため、薄毛の範囲が広いケースや進行が早い場合に適用されます。
薬剤名 | 作用する酵素 | 適用症例 | DHT抑制率 |
---|---|---|---|
フィナステリド | Ⅱ型5αリダクターゼ | 初期〜中期AGA | 約70% |
デュタステリド | Ⅰ型・Ⅱ型5αリダクターゼ | 中期〜進行AGA | 約90% |
内服薬は抜け毛の進行を抑制する点で非常に有効です。
臨床試験では、フィナステリド1mgの服用で1年程度で抜け毛の減少や髪密度の維持・改善が確認されており、長期投与により70〜80%の患者で有意な改善が見られています。
デュタステリドはフィナステリドと比較してより高いDHT抑制効果を示し、広範囲の薄毛改善が期待できます。
しかし、内服薬にも重要な限界があります。
まず、AGAそのものを完治させる効果はありません。
薬を服用している間は薄毛の進行を抑制できても、服用を中止すればDHTが再び増加し、薄毛が進行してしまいます。
つまり、薬の効果は服用中のみ維持されるため、一度始めたら継続が前提となる治療法です。
また、発毛効果にも限界があります。
フィナステリドやデュタステリドは抜け毛抑制が主目的で、それ自体には新たな毛を生やす強い効果は期待できません。
軟毛化した毛を太く長く育て直す間接的な効果はありますが、既に毛根が死滅してしまった部分に新たな毛を生やすことは、内服薬では不可能です。
髪のボリュームアップを図るには、後述する外用薬との併用や他の育毛治療が必要になります。
さらに、副作用のリスクも理解しておく必要があります。
フィナステリドやデュタステリドは比較的安全性が高い薬ですが、性欲減退やED(勃起不全)といった性機能への影響が報告されています。
頻度はいずれも1〜5%程度とされていますが、長期服用に不安を感じる方も少なくありません。
ミノキシジル外用薬(リアップなど)は、内服薬と並ぶもう一つの基本治療です。
ミノキシジルは本来、血圧降下薬として開発された成分でしたが、副作用として多毛(体毛が濃くなる)現象が認められたことから、育毛剤として転用されました。
現在では世界中で発毛剤として使用されている有効成分です。
ミノキシジルは血管拡張作用によって頭皮の血流を改善し、毛根への栄養供給を助けます。
頭皮に塗布すると毛細血管が拡張して血行が促進され、弱った毛根に栄養が行き渡ることで発毛を促進します。
その結果、細く短かった毛が太く長く成長したり、休止期に入っていた毛包が再び成長期に戻って新たな毛が生えたりします。
ミノキシジルの発毛効果は多数の臨床研究で確認されており、日本臨床毛髪学会の調査では、5%ミノキシジル外用で約35%の患者に中等度〜高度のAGA改善効果が報告されています。
ガイドラインでも男性に対するミノキシジル(5%)外用は推奨度A(強く勧める)と評価されており、内服薬と併用することで発毛効果を高められる標準治療です。
一方で、ミノキシジルにも限界があります。
まず、AGAの原因であるDHTの産生を抑制する作用はないため、ミノキシジル単独では抜け毛の進行を止めることはできません。
治療薬 | 主な効果 | 限界 |
---|---|---|
フィナステリド デュタステリド | 抜け毛抑制 | 発毛効果は限定的 |
ミノキシジル | 発毛促進 | 抜け毛抑制効果なし |
併用療法 | 抜け毛抑制+発毛促進 | 継続が必要 |
内服薬と異なり、原因に直接アプローチしているわけではなく、あくまで「髪を育てる環境を整える」治療です。
ミノキシジルだけではAGAの進行抑制効果は不十分で、抜け毛予防のためにフィナステリドなどとの併用が基本となります。
また、ミノキシジルも使い続けないと効果が維持できない点は同様です。使用をやめると血行促進効果が薄れ、せっかく生えた毛も再び抜けやすくなります。
さらに、内服薬以上に、すでに毛包が消失した部分には効果がありません。
ミノキシジルで発毛が期待できるのは「毛根は生きているが産毛状態」という毛穴であり、完全にツルツルになった地肌を再び毛で覆うことはできません。
副作用にも注意が必要です。
ミノキシジル外用薬は頭皮に直接作用するため、かゆみ・発赤・フケ・毛包炎・接触皮膚炎などの皮膚トラブルが起こる場合があります。
また、成分が血中に吸収されると、全身の多毛(顔の産毛が濃くなるなど)や血圧低下、心拍数増加などが起こることもあります。
ただし、国内で認可されている外用ミノキシジル濃度(男性用5%、女性用1%)では、重大な全身副作用は稀で、安全域の高い薬と考えられています。
AGA治療をずっと続けるのは大変だから、いったん薬を休んだらどうなるだろう?
と考える方もいるでしょう。
AGA治療を中断するとどうなるかを端的に言えば、再び薄毛の進行が始まってしまいます。
前述の通り、AGA治療薬の効果は服用・使用している間だけ持続する対症療法なので、治療をやめると体内から薬の有効成分が消失し、再びDHTが増加して毛根に悪影響を及ぼし始めるためです。
具体的には、フィナステリドやデュタステリドの服用を中止すると、血中のDHT濃度が徐々に元の高い状態に戻ります。
それに伴って髪の毛が再び細く弱々しくなり、抜け毛が増加していきます。
ミノキシジル外用を中止した場合も同様に、せっかく改善した頭皮の血流が元に戻り、発毛効果が低下してしまいます。
治療中は「抜け毛が減った」「髪が太くなった」と感じていた方も、中止後しばらくすると「また抜け毛が増えてきた…!」と実感するケースが多いのです。
治療中止から1ヶ月以内は大きな変化を感じなくても、2〜3ヶ月後には抜け毛が再び増え始め、4〜6ヶ月もすると薄毛の進行が明らかになるケースが多いです。
治療を中止してしまった場合の時間経過と影響をまとめると、以下のようになります。
中止からの期間 | 体内の変化 | 症状の変化 |
---|---|---|
中止〜1ヶ月 | 薬の効果が残存 | 大きな変化なし |
2〜3ヶ月 | DHT濃度が上昇開始 | 抜け毛が増加し始める |
4〜6ヶ月 | DHTが治療前レベルに | 薄毛進行が明確に |
このように、大体3〜6ヶ月程度で治療効果が失われ、元の薄毛状態に戻ってしまいます。一度発毛した毛も、毛根へのDHT刺激が戻れば結局抜け落ちてしまうからです。
特にミノキシジルで生えていた産毛は抜けやすく、せっかくの改善が水泡に帰してしまう恐れがあります。
注意したいのは、治療を中断している間にもAGAは確実に進行している点です。
中断期間が長引くほど毛包はさらにミニチュア化し、再開したときに以前と同じ治療では十分な効果が得られない可能性もあります。
特に半年以上の休薬は再発リスクが高まり、再開しても効果発現に時間がかかったり、状況によっては治療プランの見直し(薬の種類や濃度の変更)が必要になるケースもあります。
では、一度中断した治療を再開すれば元通りの効果が得られるのでしょうか。
再開の効果は状況により異なりますが、中断前と同じ効果がすぐに得られるとは限らない点に注意が必要です。
中断期間 | 再開時の効果 | リスク |
---|---|---|
短期間(数週間〜1ヶ月) | 比較的スムーズに回復 | 軽度の初期脱毛 |
中期間(1〜6ヶ月) | 効果発現に時間要 | 初期脱毛の可能性 |
長期間(6ヶ月以上) | 治療強化が必要な場合も | 再発リスク高 |
短期間の中断(数週間〜1ヶ月)であれば、比較的スムーズに再開後の発毛効果も戻りやすいです。
しかし、長期間中断していた場合、AGAが進行して以前より毛根が弱っている可能性があります。
以前と同じAGA薬だけでは効きづらいケースもあります。
例えば、フィナステリド単独で効果があった人も、ブランクの間に薄毛が進行してしまった場合には、デュタステリドへの変更やミノキシジル併用などの治療強化が必要になるかもしれません。
再開の際は改めて医師の診察を受け、その時点の症状に合った治療プランにアップデートすることが大切です。
再開時にはいくつかの留意点があります。
まず、再び初期脱毛が起こる可能性があります。
治療を再開すると休止期の毛が一斉に押し出されるため、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」現象が再度起こることがあります。
特に何度も中断と再開を繰り返すと、そのたびに初期脱毛が起こり、精神的負担が大きくなるだけでなく、脱毛の進行自体もコントロールしにくくなる恐れが高まります。
言い換えれば、治療を断続的に行うのは毛根にとっても良くなく、再スタートのたびにマイナスからの出発になりかねません。
また、再開時はいきなり以前のフル用量に戻すより、徐々に慣らしていく方が望ましいとされています。長いブランクの後に強力な治療を急に再開すると、副作用が出やすくなる可能性があるからです。
医師と相談しながら少しずつ薬の量を増やす、再開後も定期的に診察を受けて効果と副作用を確認するといった慎重な対応が推奨されます。
AGA治療を始めるにあたり、誰もが気になるのは「治療はいつまで続けるべきか」という点でしょう。
結論から言えば、AGA治療は基本的に効果を維持したい限り、一生涯続ける必要があります。
なぜなら、AGAは前述のように完治が困難で、治療をやめれば再び薄毛が進行する進行性疾患だからです。
多くの患者さんは「髪が十分増えたら治療を終了したい」と思われますが、治療をやめた途端に、それまで積み上げた効果が失われてしまうのがAGA治療の現実です。
したがって、「薄毛が気にならない程度まで改善したら終わり」ではなく、「薄毛が気にならなくなる年齢(例えば高齢になってから)になるまでは治療を続ける」という心構えが必要になります。
年齢 | 治療期間例 | 累計費用例 (月1万円) |
---|---|---|
20代開始 | 30年間 | 360万円 |
30代開始 | 20年間 | 240万円 |
40代開始 | 10年間 | 120万円 |
もちろん、実際には経済的・精神的な負担もありますから、一生続けることが現実的に難しい場合もあるでしょう。
しかし、治療の手を止めてしまえば薄毛は再び進行するため、多くの方は「薄毛との付き合い=治療との付き合い」として長期戦を覚悟されています。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、AGA治療は長期の継続が前提であることが示唆されており、効果が安定した後もできるだけ維持療法を続けることが推奨されています。
実際の治療期間は個人差があります。
例えば、20代で治療を開始した方が「50代まで髪を保ちたい」と思えば、20年以上の治療期間になります。月1万円の治療費でも20年継続すれば累計240万円に達します。
時間の負担も大きく、毎日5分のケアでも20年で約608時間(約25日間)にもなる計算です。
このように金銭的・時間的コストは決して軽視できませんが、それでも薄毛の進行を抑えられるメリットと天秤にかけ、多くの方が治療を継続されています。
一生AGA薬を飲み続けるなんて不安だ…
という声もよく聞かれます。
しかし、ずっと同じ量の薬を変わらず飲み続けなければならないわけではありません。
治療効果が安定し、薄毛が十分改善された段階で、医師の判断により薬の種類や量を調整することは可能です。
例えば、ある程度髪が生え揃ったらフィナステリドの量を半分に減らす、週に1回は休薬日を設ける、ミノキシジル外用を一旦中止してみるといった減薬・維持療法に移行するケースもあります。
治療段階 | 薬の量・種類 | 目的 |
---|---|---|
治療開始期 | フル用量 | 薄毛進行の抑制 発毛促進 |
効果安定期 | 維持用量 | 現状維持 |
長期維持期 | 最小有効量 | 副作用リスク軽減 |
実際、AGA専門医は患者ごとに副作用の有無や発毛状況を見ながら、投薬量や頻度を調整しています。
重要なポイントは、自己判断で勝手に減薬しないことです。必ず医師と相談の上で段階的に減らすようにしましょう。
急な減薬や中断は抜け毛再発や症状悪化につながる恐れがあるため、プロの指導の下で安全に行うことが重要です。
維持療法への移行タイミングは明確に決まっていませんが、目安として治療開始から1年以上経過し、発毛効果が頭打ちになって安定してきた頃に検討されることが多いです。
症状が安定したら定期的に医師と相談し、可能なら最小限の投薬量で維持できるようプランを調整すると良いでしょう。
例えば、長期的にはデュタステリドからフィナステリドへ変更して副作用リスクを下げる、ミノキシジル外用を隔日や症状悪化時だけの使用に減らすなど、患者の状態に合わせて無理のない継続プランが立てられます。
薬を一生飲み続けるなんて嫌だ..
何とか一回で終わる薄毛治療法はないの?
実は、AGAを”ほぼ完治”に近い形で克服する方法が一つあります。それが自毛植毛です。
自毛植毛とは、自分自身の毛髪を外科手術で移植する治療法です。
薄毛が気になる部分に自分の元気な毛根ごと毛髪を移し植えることで、その箇所から再び毛が生えてくるようにするものです。
自毛植毛の最大の特徴は、1回の施術で治療が完了し、その効果が半永久的に続く点です。
移植した毛根がしっかり定着すれば、その後は自然な毛周期で生え変わりを繰り返し、生涯生え続けることが期待できます。
薬物治療 | 自毛植毛 | |
---|---|---|
治療回数 | 毎日継続 | 1回(場合により数回) |
効果の維持性 | 服用中のみ | 半永久的 |
日常生活への影響 | 服薬・塗布が必要 | 制限なし |
メンテナンス | 継続的に必要 | 基本的に不要 |
つまり、植毛した部分に関しては薬による長期ケアが不要になるのです。
かつらのようにメンテナンスも必要なく、自分の毛髪なので見た目も自然で、周囲に気付かれにくい利点があります。
ただし、植毛は外科手術ですから、誰にでも気軽に勧められるものではない点も押さえておきましょう。
手術とは言え入院不要の日帰り手術がほとんどで、近年はメスを使わない技術も発達してダウンタイムも短くなっています。
とはいえ、費用は決して安くなく、薄毛範囲によりますが数十万円〜百数十万円規模の自己負担がかかります。
また、外科的侵襲がゼロではないので、多少の痛み・腫れや一時的なショックロス(術後に周囲の毛が一時的に抜ける現象)などのリスクも伴います。
しかし、それでも「長年薬を使い続ける負担」と比べて、植毛の一度きりの負担を選ぶ人も増えています。
自毛植毛が画期的なのは、「AGAになりにくい毛」を「AGAで薄くなった部分」に移植できることです。
前述の通り、AGAの影響を強く受けるのは主に頭頂部や前頭部の毛ですが、側頭部や後頭部の毛髪はAGAの影響を受けにくい性質があります。
これは、後頭部には5αリダクターゼⅠ型が主体でⅡ型が少なく、また部位的にDHTの影響が及びにくいためです。
部位 | 5αリダクターゼの型 | AGA感受性 | 植毛への適用 |
---|---|---|---|
前頭部・頭頂部 | 主にⅡ型 | 高い | 移植先 |
側頭部・後頭部 | 主にⅠ型 | 低い | ドナー部位 |
自毛植毛では、この「AGAで薄くならない後頭部の毛根」をドナー(供給源)として採取します。採取した毛根を、髪が薄くなった生え際や頭頂部などに毛穴ごと移植するのです。
こうして移された毛根は、新しい環境(額や頭頂部)でもAGAに耐性を持ったまま生え続けます。
言わば「強い毛を弱い場所に植え替える」イメージです。
移植後の毛は一旦抜け落ちますが(休止期に入るため)、数ヶ月後からまた生え始め、順調なら半年〜1年ほどでしっかりした毛が生え揃ってきます。
後頭部由来なので、DHTの影響をほとんど受けず、半永久的に成長を続けるわけです。
このように、自毛植毛はAGAの原因からして「薄毛になりにくい毛を使う」という点がポイントであり、薬では得られない根本的な解決につながります。
費用対効果の面から植毛と薬物治療を比較してみましょう。
一般に、自毛植毛の費用は高額ですが一度で完結するメリットがあります。
一方、薬物治療は1ヶ月ごとの費用は抑えられても、長年積み重なるデメリットがあります。
薬物治療 | 自毛植毛 | |
---|---|---|
初期費用 | 月1万円程度 | 100〜150万円 |
10年後累計 | 120万円 | 100〜150万円 |
20年後累計 | 240万円 | 100〜150万円 |
日常負担 | 毎日の服薬・塗布 | なし |
効果の確実性 | 個人差あり | 定着すれば確実 |
「AGA治療を一生続ける自信がない」「薄毛の悩みを根本から解決したい」という方にとって、自毛植毛はAGA治療の最後の切り札と言えます。
もちろん、ドナーとなる十分な後頭部毛髪があることや費用面の許容など条件はありますが、うまく適合すれば一度の手術で半永久的な発毛効果を得られる魅力的な選択肢です。
興味のある方は、AGA専門クリニックで相談してみると良いでしょう。
GCMCコラムでは、植毛にも対応しているAGA治療がおすすめのクリニックを紹介しています。
AGA治療薬の副作用としてまず挙げられるのが、内服薬(フィナステリド・デュタステリド)の性機能への影響です。
具体的には性欲減退(リビドー低下)、ED(勃起不全)、射精障害などが報告されています。
頻度は低く、国内外の臨床試験では総じて1〜5%未満とされています。
しかし、「男性機能」に関わるため不安を覚える方が多く、AGA治療をためらう一因にもなっています。
薬剤名 | 性欲減退 | ED | 射精障害 |
---|---|---|---|
フィナステリド | 1.1% | 0.7% | 1.2% |
デュタステリド | 3.9% | 4.3% | 1.0% |
フィナステリドやデュタステリドは、体内のDHT濃度を70〜90%以上減少させる強力な作用があります。
その結果、男性ホルモンに関連する性機能に影響が出ることがあるのです。
ただし、これらの副作用は用量に依存し、また服用を中止すれば概ね可逆的です。
実際、フィナステリドによる性欲減退は治療中止後1〜3ヶ月で改善するケースが多いと報告されています。
また、プラセボ(偽薬)との比較試験でも有意差がないとも言われ、精神的な要因も絡む可能性があります。
もし内服薬で性機能低下が見られた場合は、無理せず医師に相談しましょう。
対策としては、服用量を減らす、服用頻度を減らす(毎日→隔日など)、あるいはデュタステリドからフィナステリドに変更する(作用がマイルドな方に変える)といった方法があります。
症状が軽微であれば様子を見る選択もありますが、パートナーとの関係にも関わることなので、我慢せず率直に相談してください。
医師と相談しながら、副作用と効果のバランスを考慮して治療を続けることが大切です。
フィナステリドやデュタステリドが安いAGA治療がおすすめのクリニックはこちらからご確認いただけます。
次に、ミノキシジル外用薬の副作用について説明します。
ミノキシジルは直接肌に塗布するため、頭皮のかゆみ、発赤(赤み)、フケ(落屑)、毛包炎、かぶれ(接触皮膚炎)などの皮膚トラブルが起こることがあります。
特に、アルコールやプロピレングリコールなどの溶媒が含まれるタイプの外用液は刺激が強く、人によってはヒリヒリ感や炎症を起こしやすいです。
副作用の種類 | 頻度 | 重症度 |
---|---|---|
頭皮の痒み | 8-10% | 軽度 |
発赤・炎症 | 3-5% | 軽度〜中等度 |
接触皮膚炎 | 2-3% | 中等度 |
全身の多毛 | 1-2% | 軽度 |
また、ミノキシジルの成分がわずかでも血中に入ると、全身性の副作用が現れる場合があります。
代表的なのが多毛症状(顔や体の毛が濃くなる)で、その他に低血圧、めまい、心拍数増加、手足のむくみなどが報告されています。
ただし、国内で認可されている外用ミノキシジル濃度(男性用5%、女性用1%)では、重大な全身副作用は稀で、安全域の高い薬と考えられています。
皮膚の副作用が出た場合、まず使用頻度を減らすか一旦休止して頭皮を休めましょう。
軽いかゆみ程度なら、市販の皮膚用ローションで保湿したり、医師に相談すればステロイドローションを処方してもらえることもあります。
症状が治まったら、低濃度の製品に切り替える(5%→1%など)ことも検討します。
最近は、ミノキシジルのフォーム(泡)タイプも販売されており、液体タイプより刺激が少なく、皮膚への負担が軽減できます。
ミノキシジルは継続が命なので、副作用とうまく付き合いながら無理なく続ける工夫が必要です。
ミノキシジルを取り扱っているAGA治療がおすすめのクリニックはこちらから確認できます。
AGA治療による副作用は個人差が大きく、「自分には関係ない」という方も多い反面、「副作用が怖くて治療を躊躇している」という方もいます。
大切なのは、リスクと正しく向き合い、必要に応じて医師と相談することです。
まず前提として、AGA治療薬の副作用発生率は低く、重篤なものは稀です。
例えば、フィナステリドで性機能に影響が出るのは数%程度に過ぎず、多くの人は問題なく服用できています。
また、ミノキシジル外用も日本で長年市販されてきた実績から、安全性は確認されています。
それでも不安があれば、事前に医師に率直に質問しましょう。納得した上で治療を始めることが、副作用リスクと上手に付き合う第一歩です。
治療中に何か異変を感じた場合は、決して自己判断で中断・放置せずに、速やかに医師に報告してください。減薬や休薬の判断は必ず医師に任せるべきです。
医師はこれまでの経過から「薬を減らしても大丈夫か」「別の薬に変更すべきか」「このまま様子を見るか」を適切に判断してくれます。
副作用が出たからといって即座に治療中止するのではなく、対策を講じながら治療を継続する道を探ることが重要です。
AGA治療がおすすめのクリニックの記事では、相談が無料のクリニックも紹介しています。
AGA治療を始めるか迷っているうちに、どんどん薄毛が進行してしまい、
もっと早くAGA治療を始めていれば…
と後悔する人は少なくありません。
前述したように、AGAは放置すると着実に進行する脱毛症です。
早期発見・早期治療こそが薄毛改善の近道であり、後から振り返って後悔しないための最大のポイントです。
薄毛治療はいつ始めるのがベストなのでしょうか?答えは「薄毛かも?」と感じたその時が始め時です。
生え際やつむじのボリューム低下に少しでも気付いたら、遅くとも抜け毛が目に見えて増えてきた段階で、すぐに専門医に相談しましょう。
カウンセリングが無料の、AGA治療がおすすめのクリニックはこちらの記事でご確認ください。
治療開始期間 | 回復可能性 | 治療効果 |
---|---|---|
初期段階 | 高い | 現状維持〜軽度改善 |
中期段階 | 中程度 | 進行抑制が主体 |
進行段階 | 低い | 進行抑制が困難 |
AGAは発症してから経過時間が短いほど、元の毛量を取り戻しやすいのです。
逆に進行が進んで毛根が弱り切ってしまうと、治療で取り戻せる髪も減ってしまいます。
早めに治療を始めれば、抜け毛がそれ以上進む前に食い止められますし、今残っている髪を太く強く育てることができます。
その結果、薄毛が目立つ前に改善できるため、精神的な負担も少なく済みます。
AGAは「発症したら終わり」では決してなく、治療ですぐに改善できる可能性があります。
大事なのは「まだ大丈夫だろう」と放置せず、少しでも気になったら動く行動力です。
もし「これはAGAじゃないかも」と自分で判断できない場合も、専門クリニックで診断してもらえます。
仮にAGAでなかったとしても、別の脱毛症であればそれに合った治療がありますし、逆にAGAだった場合は一刻も早く治療を始める意義があります。
「初期のうちに手を打つ」これが後悔しないための何よりのポイントです。
専門医に無料で相談できるAGA治療がおすすめのクリニックはこちらの記事でご確認ください。
AGA治療では「継続は力なり」です。
しかし、経済的・精神的に無理なプランを選んでしまうと長続きせず、途中で挫折してしまいがちです。それでは「治療を始めたのに続けられなかった…」と後悔することになります。
無理なく継続できる治療プランを選ぶことは、AGA治療成功の鍵であり、後悔しないための重要ポイントです。
具体的には、以下の点に留意しましょう。
検討項目 | 良い例 | 悪い例 |
---|---|---|
費用計画 | 月1万円以内で継続可能 | 月3万円で家計圧迫 |
治療内容 | 基本治療から段階的に | 最初から高額オプション |
通院頻度 | 月1回程度 | 週2回など負担大 |
治療目標 | 現実的な改善目標 | 完全回復を期待 |
AGA治療を始めてから
こんなに費用がかかるとは思わなかった…
とならないよう、事前に複数のクリニックの料金プランを比較検討しましょう。
月々無理なく支払える範囲でプランを組むことが大切です。
最近は定額制サブスクプランやオンライン診療で割安に続けられるサービスもありますので、活用すると良いでしょう。
最初から高額なメソセラピー(HARG療法など)や高濃度のカクテル治療に飛びつく必要はありません。
まずは推奨度Aの内服薬+外用薬の基本治療で様子を見て、効果が十分ならそれで維持すれば費用対効果は高いです。
必要に応じて段階的にオプションを追加する方法を取れば、無駄な出費を抑えられます。
薬を飲んだり塗ったりする習慣を、日々のルーティンに組み込む工夫も大事です。
例えば、毎晩の歯磨き後に育毛剤を塗布する、朝食後に薬を飲むと決めて習慣化しましょう。
負担に感じなくなれば、治療継続も苦ではなくなります。
AGA治療は即効性がないため、途中で「本当に効いているのか?」と不安になる時期があります。効果が出るまで最低でも6ヶ月は様子を見る覚悟を持ちましょう。
不安なときは、クリニックで経過写真を見せてもらったり、医師に率直に疑問をぶつけてみてください。
納得しながら治療を続けることが、モチベーション維持につながります。
このように、身の丈に合ったプランで無理なくコツコツ続けることが、後悔を防ぐポイントです。
途中で投げ出さないためにも、スタート前にしっかり計画を立てておきましょう。
AGA治療が安いおすすめのオンラインクリニックはこちらの記事でご確認ください。
AGA治療の満足度は、どのクリニックを選ぶかによって大きく左右されます。
中には
高額なコースを契約したのに効果が出ず後悔…
対応が悪くて通うのが苦痛になり中断した
などの失敗談も聞かれます。
そこで、後悔しないためのAGAクリニック選びのポイントを押さえておきましょう。
選択基準 | 良いクリニック | 避けるべきクリニック |
---|---|---|
医師の実績 | 専門医資格・症例公開 | 資格・実績が不明 |
治療方針 | 丁寧な説明・個別プラン | 高額コース押し売り |
料金体系 | 明確な料金 | 不透明な費用体系 |
通いやすさ | アクセス良好・予約取りやすい | 遠方・予約困難 |
口コミ評判 | ポジティブな評価多数 | ネガティブな評判目立つ |
まずチェックしたいのは、医師の資格や実績です。
医師の資格・実績を確認せずに選んでしまうのは後悔のもとです。
皮膚科専門医や毛髪治療の豊富な経験を持つ医師が在籍しているクリニックを選びましょう。
公式サイトで医師の経歴や症例数が公開されているはずなので、必ず目を通してください。
信頼できるクリニックは、カウンセリングで現在の薄毛の原因や進行度、推奨される治療法を丁寧に説明してくれます。
「とにかく○○コースに申し込んで」と高額プランを押し売りするような所は注意です。
こちらの悩みや要望を親身に聞き、患者ごとに最適なプランを提案してくれるクリニックを選びましょう。
治療費について事前に明確に提示してくれるかも大事です。
診察料や検査料、薬代、オプション施術料などトータルでいくらかかるのか不透明なクリニックは避けましょう。
「初月○○円!」と安く謳っていても、2ヶ月目以降が高額というケースもあります。
公式HPに料金表が明示されているか、複数クリニックで料金を比較検討するなどして、納得できる価格設定の所を選んでください。
AGAの継続治療には通いやすさも意外と重要です。
自宅や職場から無理なく通える場所か、予約は取りやすいか、営業時間は自分のスケジュールに合うかなど確認しましょう。
最近は、オンライン診療で薬を郵送してくれるクリニックもあるので、多忙な方はそうしたサービスを利用するのも手です。
実際に通院した人の口コミも参考になります。
「スタッフの対応が丁寧」「医師の説明がわかりやすい」「効果を実感できた」などポジティブな声が多いかチェックしましょう。
逆に「高いコースばかり勧められる」「効果がなく損した」などネガティブな評判が目立つ所は避けた方が無難です。
ただし、個人の感想なので鵜呑みにせず、あくまで判断材料の一つとしてください。
これらを踏まえてクリニックを選べば、大きく外すことはないでしょう。信頼できるクリニックで治療を受ければ、効果も出やすく満足度も高まります。
焦って決めず、自分に合ったクリニックを見極めることが、後悔しないための最後のポイントです。
GCMCコラムがイチオシするAGA治療がおすすめのクリニックはこちらからご覧ください。
AGA治療で「完治」した人は存在しませんが、適切な治療継続により発毛改善は十分可能です。
AGAは進行性脱毛症のため根治は困難ですが、早期治療開始ほど元の毛量を取り戻しやすくなります。
薬物治療は継続が前提となる一方、自毛植毛なら一度の手術で半永久的効果が期待できます。
副作用リスクは低いものの、気になる症状は医師に相談し自己判断での中断は避けましょう。
無理のない治療計画と信頼できるクリニック選びが成功の鍵です。
薄毛に悩む方は専門医に相談し、今からの行動で将来の髪と自信を取り戻しましょう。
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