銀座がん医療クリニック(がん免疫療法/東京)

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フィナステリドとデュタステリドの違いとは?効果1.6倍の真実を医師が解説

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フィナステリドとデュタステリドの違いとは?効果1.6倍の真実を医師が解説

フィナステリドとデュタステリド、結局どっちがいいの?

と迷っていませんか?

実は、フィナステリドは実績が長く安全性・コスパに優れる基本薬であり、デュタステリドは作用範囲が広く発毛効果が高い「切り札的」薬として位置づけられます。

どちらも男性型脱毛症(AGA)の進行を抑える効果が認められており、日本皮膚科学会のガイドラインでも「行うよう強く勧められる」最高ランクの推奨度を得ている信頼性の高い治療薬ですが、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。

この記事では、AGA治療専門の医師の視点からフィナステリドとデュタステリドの違いを徹底解説します。

両者の作用メカニズム・効果の差・副作用リスク・安全性プロファイル・選び方の基準・治療前の注意点・費用面まで網羅し、

  • 発毛効果はどれくらい違うのか?
  • 副作用のリスクは?
  • 自分にはどちらが合うのか

といった初めてAGA治療薬を選ぶ際の疑問にお答えします。

ぜひ本記事を参考にご自身の症状や優先度に合った選択をしてください

では詳しく見ていきましょう。

この記事の監修者

銀座がん医療クリニック 医師チーム

医師・医学博士、MD・PhD

岩手医科大学大学院卒業後、東京医科大学病院で癌の化学療法の研究を続け、新規の薬剤使用方法の提案を行う。癌患者への結核菌を用いた樹状細胞療法の医師主導治験を大阪大学の医師らと実施。
また、世界初となる呼気(吐いた息)を使用した乳癌検出技術に関し、イスラエル企業と実用化に向けて東京女子医科大学をはじめとする病院群で臨床試験を実施中。 呼気検査という侵襲の低い検査体系で多くの人の早期発見に向けてスクリーニングの改革を進めている。

論文タイトル (Anticancer Research, 2021)

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フィナステリドとデュタステリドとは?AGA治療薬の基本

まず、フィナステリドとデュタステリドがどんな薬なのか基本を整理しましょう。

いずれAGA(男性型脱毛症)の原因ホルモンDHTを抑制する内服薬であり、適切に使えば抜け毛の進行抑制と発毛促進が期待できます。

ただし開発経緯や特徴に違いがあるため、それぞれの概要を確認しておきましょう。

フィナステリド(プロペシア)の特徴

フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬(商品名プロスカー5mg)として開発され、その後AGA治療用に1mg製剤(プロペシア)が誕生した薬です。

アメリカでは1997年にAGA治療薬として承認され、日本でも2005年10月に厚生労働省から承認を受け、同年12月にプロペシアの販売が開始されました。以来、世界中で広く使われるAGA治療の定番薬となっています。

フィナステリドは5αリダクターゼII型酵素のみを選択的に阻害し、男性ホルモンのテストステロンが薄毛の原因物質DHT(ジヒドロテストステロン)へ変換されるのを防ぎます。

その結果、ヘアサイクルの乱れが改善され、抜け毛の抑制と毛髪の維持・改善につながります。

特に頭頂部や前頭部のAGA進行抑制効果が高く、臨床試験でもプラセボ(偽薬)に比べ有意な発毛効果が確認されています。

服用方法は通常1日1回1mgを継続内服します。

日本では20歳未満への処方は禁止されており、安全性確立の観点から成人男性のみ使用可能です。

主な剤形は錠剤で、国内ではプロペシア以外にも多数のジェネリック医薬品(フィナステリド錠)が流通しています。

実績の長さと豊富なデータから安全性も比較的高く、コスト面でもジェネリックにより治療継続しやすい点が大きなメリットです。

デュタステリド(ザガーロ)の特徴

デュタステリドは、グラクソ・スミスクライン社が開発した薬剤で、もともと前立腺肥大症治療薬(アボルブ0.5mg)として世界102か国以上で承認されています。

AGA治療への効果が注目され、韓国に次いで日本で2番目にAGA適応の承認を取得し、2015年9月に厚労省承認、2016年6月より「ザガーロ0.5mgカプセル」として発売されました。

フィナステリドに比べ歴史は新しいものの、日本皮膚科学会のガイドラインではフィナステリド同様に最高ランクの推奨度(強く勧められる)を付与されており、信頼できるAGA治療薬です。

デュタステリドの最大の特徴は、5αリダクターゼ酵素のI型・II型両方を強力に阻害できる点です。

テストステロンからDHTへの変換酵素を広範囲にブロックするため、DHT抑制効果がより強力であるとされています。

実際、デュタステリド0.5mgは血中DHT濃度を約90%低下させ、フィナステリド1mgの約70%低下と比べても強い効果を示します。

この作用によりAGAの主因物質DHTを大幅に減らし、発毛効果と維持効果の両面で優れることが期待されています。

服用方法は1日1回0.5mgを経口服用します。

フィナステリドと同様に基本は成人男性対象で、女性や未成年は服用不可です。

剤形はソフトカプセルで、フィナステリドと比較すると成分が体内に長く留まる特徴があります。

ザガーロの特許期間満了に伴い、2020年から国内でもデュタステリドのジェネリック医薬品が製造・販売されており、先発薬より安価な選択肢も利用可能です。

価格は先発ザガーロが1ヶ月分で約8,000~10,000円程度に対し、ジェネリックは月あたり数千円ほど割安になっています。

フィナステリドとデュタステリドを含む「5αリダクターゼ阻害薬」の作用メカニズム

フィナステリドとデュタステリドはいずれも「5αリダクターゼ阻害薬」と呼ばれる種類の薬です。

では5αリダクターゼ阻害薬とは具体的にどのようにAGAに作用するのでしょうか?

ここで、その基本メカニズムを押さえておきます

AGA(男性型脱毛症)では、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼという酵素の作用によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることが主な発症要因となります。

DHTは毛髪の成長期を著しく短縮させる強力なホルモンで、毛根の受容体に結合すると本来2~6年あるべき髪の成長期が数ヶ月~1年程度にまで短くなってしまいます

その結果、十分に成長しきれない細く短い毛髪(ミニチュアヘア)が増え、地肌が透けるようになります。

この過程が毛周期の乱れであり、AGAの進行そのものです。

フィナステリドとデュタステリドは、このDHT産生の鍵となる5αリダクターゼ酵素を阻害することで作用します。

テストステロンからDHTへの変換をブロックすることで頭皮のDHT濃度が低下し、乱れていたヘアサイクルが正常化されます。

その結果、抜け毛の減少が起こり、休止期に留まっていた毛包が再び成長期へ移行することで発毛が促進されます。

これにより、現存する毛髪の寿命を延ばし、細く弱った髪が太く長く育つようになるのです。

両薬とも作用機序は共通ですが、先述の通り阻害できる5αリダクターゼのタイプが異なるため効果の及ぶ範囲や強さに差が出てきます。

この点については、次の章で詳しく比較していきましょう。

フィナステリドとデュタステリドの基本的な違い

同じAGA治療薬でも、フィナステリドとデュタステリドには作用範囲や薬理特性に明確な違いがあります。

ここでは3つの基本的な相違点について掘り下げます。

フィナステリドとデュタステリドの基本的な違い

数字やデータを交え、両薬の特徴を比較しましょう。

フィナステリドとデュタステリドの作用メカニズムの違い(5αリダクターゼI型・II型)

フィナステリドとデュタステリド最大の違いは「5αリダクターゼ酵素のどのタイプを阻害できるか」にあります。

5αリダクターゼにはI型とII型の2種類が存在し、頭皮ではI型は側頭部や後頭部の皮脂腺に多く、II型は毛乳頭(前頭部や頭頂部の毛根)に多く分布しています。

この違いに対して各薬は以下のように作用します。

フィナステリド

主に5αリダクターゼのII型を選択的に阻害します。

II型は毛包内に存在しAGAの「主戦場」とも言える前頭部・頭頂部の脱毛に関与するため、フィナステリドは頭頂部の薄毛進行抑制に高い効果を発揮します。

一方、I型にはほとんど作用しないため、I型が多い側頭部や後頭部(生え際付近)の改善効果は限定的と考えられます。

デュタステリド

5αリダクターゼのI型・II型の両方を強力に阻害します。

つまりAGAの原因酵素を頭皮全域でブロックできるため、頭頂部に加えて前頭部や生え際の薄毛にも高い効果が期待できます。

作用範囲が広いぶんDHTの総量を大幅に減少させることができ、結果として発毛効果が強まります。

このように酵素阻害の範囲が両薬で異なることが、臨床効果の差につながります。

実際、デュタステリドはフィナステリドより血中DHTを強力に抑制(約90% vs 約70%)することが報告されており、理論上はデュタステリドの方がAGA原因物質を徹底的に減らせる仕組みです。

その結果が実際の発毛効果にどう現れるのか、次で見てみましょう。

フィナステリドとデュタステリドの発毛効果の差(1.6倍の根拠)

AGA治療薬を選ぶ上で最も気になるのが「発毛効果の強さ」でしょう。

デュタステリドの発毛効果はフィナステリドの約1.6倍」といった情報を耳にしたことがあるかもしれません。

この数字には根拠があります。

複数の海外臨床試験の結果から、デュタステリド群の方がフィナステリド群より有意に毛髪数が増加したことが示されているのです。

例えば、ある研究では半年間の服用後の発毛効果を比較しました。

その結果、フィナステリド1mgを6ヶ月服用したグループは毛髪数が平均+57本増加したのに対し、デュタステリド0.5mgを6ヶ月服用したグループでは約1.6倍にあたる+90本の増加が報告されています。

また別の大規模試験でも、24週時点でデュタステリド0.5mgの方がフィナステリド1mgより有意に髪の本数を増やしたことが確認されました。

このようにデータの上ではデュタステリド優位の発毛効果が示されています。

なぜこのような差が出るのかというと、前述の通りデュタステリドはI型・II型両方の5αリダクターゼを抑制し、DHT生成をより強力に抑えるためです。

DHTが少なくなるほどヘアサイクルは正常化しやすく、休止期毛が成長期に移行する割合が増えるため毛髪数の増加につながります。

ただし、1.6倍という数値はあくまで特定条件下の研究結果であり、個人差も大きいことに注意が必要です。

実際には「デュタステリドの方が毛髪の本数や太さでやや優れた結果」という報告がある一方で、「両者にほとんど差はない」という意見もあります

要するに平均すればデュタステリドが優位だが、全員に劇的な差が出るわけではないということです。

生え際への効果について補足すると、先述の通りデュタステリドはI型酵素も阻害するため生え際・M字の薄毛にも効果を発揮しやすいと考えられます。

フィナステリドはII型中心のため生え際より頭頂部向きですが、デュタステリドは頭頂部+前頭部(額の後退)にもアプローチできる可能性があります。

ご自身の薄毛部位によっても両薬の効果の出方は異なり得る点は覚えておきましょう。

フィナステリドとデュタステリドの体内滞留時間の違い(半減期比較)

薬の体内滞留時間、すなわち有効成分が体内にとどまる長さにも大きな違いがあります

これは薬の血中半減期(血中濃度が半分に減少するまでの時間)として表されますが、フィナステリドは約6~8時間、デュタステリドは約4週間(3~5週間とも)と報告されています。

フィナステリドは半減期が短いため、服用後1日程度で大半が体外に排出されます。

これは仮に副作用が出ても中止すれば速やかに薬効が抜けることを意味し、安全面で一つのメリットと言えます。

一方デュタステリドは半減期が30日以上と長く、1度服用すると体内に蓄積して数週間作用が持続します。

この特性により、毎日ではなく数日に1回の服用でも効果が持続するのではないかという意見もありますが、現時点で医学的根拠は不十分であり自己判断での減薬は推奨できません

長い半減期はメリットとデメリットの両面があります。

メリットとしては、飲み忘れがあっても血中濃度がある程度維持されるため多少の服用ズレが効果に影響しにくい点です。

また将来的に服用頻度を下げられる可能性も示唆されています。

しかしデメリットとして、副作用が出た場合に症状が長引く可能性が挙げられます。

デュタステリド服用中に何か問題が起きても、体内から抜けきるまでに時間を要するため、副作用が改善するまで数週間かかるケースもあり得ます。

血中半減期の短いフィナステリドの方が安心感があるとされるのはこのためです。

さらに献血など血液提供の制限にも違いがあります。

体内に薬剤が残存し、輸血された場合に妊婦などに影響を与える恐れがあるため、フィナステリド服用者は最後の服用から1ヶ月間、デュタステリドでは6ヶ月間は献血を控えるよう求められています。

以上を踏まえ、デュタステリドは効果が持続する反面、体に残る期間も長いことを理解しておきましょう。

フィナステリドとデュタステリドの効果・副作用・安全性の違い

ここまで確認したように、フィナステリドとデュタステリドは作用範囲や効果の強さ、半減期に差があります。

では総合的な効果の強さや、副作用・安全性の違いはどのように評価できるでしょうか?

この章ではまず効果の強さを端的に比較し、その後副作用リスクや安全性プロファイルの違いについて解説します。

重要ポイントを簡潔に整理し、両薬のメリット・デメリットを把握しましょう。

フィナステリドとデュタステリドの効果の強さ比較

まず、効果面での主な違いをまとめます。

以下にフィナステリド1mgとデュタステリド0.5mgを比較したポイントを表に示します。

項目フィナステリド(1mg)デュタステリド(0.5mg)
5αリダクターゼ阻害タイプII型のみ阻害(主に毛乳頭の酵素)I型+II型を阻害(頭皮全域の酵素)
DHT抑制率(血中)約70%低下約90%低下
発毛効果(毛髪数増加)+57本/6ヶ月(例)(基準値とする)+90本/6ヶ月(例)(約1.6倍
効果実感までの期間3~6ヶ月で抜け毛減少、6~12ヶ月で発毛実感3~6ヶ月で抜け毛減少、6~12ヶ月で発毛実感(※同程度)
薄毛部位への効果傾向頭頂部中心:前頭部にも有効だがやや劣る頭頂部+生え際:前頭部・M字にも効果が期待
血中半減期(持続時間)6~8時間程度約4週間程度

※上記の数値は臨床試験の一例や平均値です。効果の感じ方には個人差があります。

また発毛実感までの期間は両薬ほぼ同等で、いずれも最低6ヶ月以上の継続が推奨されます。

表より、デュタステリドの方が作用範囲が広くDHT抑制も強力であるため、発毛効果も平均して高いことがわかります。

一方、フィナステリドは効果こそマイルドなものの実績が長く安定した効果を示しており、特に頭頂部の薄毛維持には標準治療として確立しています。

生え際など広範囲の薄毛にはデュタステリドまずは標準的な治療を試したい場合はフィナステリドという棲み分けも見えてきます。

では次に、副作用や安全性の面から両薬を比較してみましょう。

フィナステリドとデュタステリドの副作用リスクの違い

AGA治療薬を使用する上で、効果と同じくらい気になるのが副作用リスクです。

フィナステリド・デュタステリド共通の主な副作用としては、以下のようなものがあります。

性機能に関する副作用

性欲減退・勃起不全(ED)射精障害などがあります。

世界的な臨床試験データによれば、これら性機能低下の副作用発生率は服用者全体の数%程度とされています。

頻度は高くありませんがゼロではないリスクです。

一般に、デュタステリドの方がDHT抑制が強力なため、フィナステリドよりわずかに発生率が高い傾向が報告されています。

もっとも、症状は服用を続けるうちに軽減・消失することや、中止すれば改善するケースがほとんどです。

初期脱毛

治療開始後1~2ヶ月で一時的に抜け毛が増える現象です。

フィナステリド・デュタステリドいずれでも起こり得ます

これは乱れたヘアサイクルが正常化する過程で、古い毛が押し出されて抜け落ちるためであり、一過性のものです。

効果が出始めたサインでもあるので、慌てて中止しないようにしましょう。

肝機能への影響

ごくまれに肝機能数値の異常(AST・ALT・γ-GTP上昇)が見られることがあります。

フィナステリド・デュタステリドはともに肝臓で代謝される薬剤のため、定期的に血液検査を受けて肝機能に問題がないか確認することが望ましいでしょう。

特にもともと肝機能に不安がある方は主治医に相談してください。

精神面・その他

まれに抑うつ症状が報告されることがあります

ホルモン変動による気分の落ち込みなどが原因と推測されます。

また、こちらも極めて稀ですが乳房の痛み・肥大(女性化乳房)が起こるケースもあります。

以上のように、副作用プロファイル自体は両薬でほぼ共通しています。

強いて言えばデュタステリドの方が若干リスク高めという印象ですが、大部分の患者さんでは問題なく継続可能です。

ただし副作用が不安な方は無理をせず、少しでも異常を感じたら早めに医師に相談しましょう。

特にデュタステリドは体内残留が長い分、症状が続く可能性もあるため慎重な経過観察が必要です。

なお、フィナステリドやデュタステリドの服用を中止した後に性機能不全や精神症状が長期間持続すると主張される「ポストフィナステリド症候群(PFS)」という概念もインターネット上で話題になることがあります。

現時点ではPFSの存在や原因について医学的コンセンサスは得られておらず、明確な証拠はありません

過度に不安になる必要はありませんが、治療中・中止後に気になる症状が続く場合は専門医に相談してください。

フィナステリドとデュタステリドの安全性プロファイルの比較

最後に安全性プロファイルの比較です。

安全性に関して押さえておきたいポイントをまとめると、以下のようになります。

長期的な安全性

フィナステリドは発売から20年以上の実績があり、5年以上の長期服用データでも大きな安全性の問題は報告されていません

一方デュタステリドもAGA適応で使われ始めてから年数は浅いものの、もともと前立腺肥大症治療で多くの患者に使われてきた経緯があり、5年以上の長期使用でも安全に使用できるとの研究があります。

現時点で両薬とも長期継続可能な安全性を備えていると言えるでしょう。

女性・未成年への禁忌

フィナステリド・デュタステリドはいずれも女性(特に妊娠中の女性)や未成年には禁忌です。

女性が服用すると効果がないばかりか、妊娠中の摂取で胎児(男児)の生殖器発育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

そのため妊娠中または可能性のある女性は触れることさえ避けるべきとされています。

また日本では20歳未満への使用は認められていません

生殖面への影響

男性の服用による精子や胎児への影響は基本的にないと考えられています。

ただし、一部でフィナステリドの服用により精液中の薬物濃度がごく微量検出されることや、服用中に精子数の一時的減少が見られたとの報告もあります。

妊活中の方で気になる場合は、念のため主治医に相談の上で服用を検討すると安心でしょう。

パートナーがいる方は、治療を始める前に服用について話し合っておくこともお勧めします。

定期検査とフォロー

安全に治療を続けるため、定期的なフォローアップが重要です。

具体的には、3~6ヶ月ごとに医師の診察を受け、効果判定と副作用チェックを行いましょう。

血液検査で肝機能や男性ホルモン値の確認、必要に応じて頭部写真による毛量変化の確認などが行われます。

デュタステリド服用者は前立腺がん検診時にPSA値が半減する性質があるため、PSA(前立腺特異抗原)検査の際には服用中であることを必ず医師に伝える必要があります。

また、デュタステリド服用中は前述の通り献血禁止期間(6ヶ月)を守るなど社会的な配慮も求められます

総じて、フィナステリドとデュタステリドの安全性プロファイルは大きく変わらないと言ってよいでしょう。

どちらも適正に使用すれば安全にAGAの進行を抑えられる薬です。

ただし「より安全志向」で選ぶならフィナステリドに軍配が上がります。

その理由は前述の半減期の短さにあります。

副作用リスクを極力抑えたい場合、まずはフィナステリドから開始し、体の反応を見ながら慎重に進めるのが良いでしょう。

フィナステリドとデュタステリドのどちらを選ぶべき?選択の判断基準

ここまで両薬の違いを詳しく見てきましたが、結局

フィナステリドとデュタステリドのどちらを選ぶべきか

と悩んでいる方も多いです。

最後に、薬の選択判断に役立つポイントを整理します。

ご自身の状況に近いケースを参考に、最適な選択肢を見つけてください

フィナステリドとデュタステリドの判断基準① 初回治療時の選択指針

AGA治療を初めて開始する場合、多くの専門医は「まずフィナステリドから試す」ことを推奨します。

フィナステリドは実績が長く安全性が高い上に、コストも比較的抑えられるため、初回治療の第一選択肢として合理的だからです。

特に20~30代で薄毛の進行がそれほど進んでいない初期~中等度のAGAであれば、フィナステリドで十分効果が期待できます

まず1年間程度フィナステリドを継続し、その効果を見極めてから次のステップを考えると良いでしょう。

一方、AGAの進行度が高い場合や「できるだけ早く発毛効果を実感したい」という強い希望があるケースでは、初めからデュタステリドを選択することもあります。

例えば薄毛の範囲が広い、M字がかなり後退している、頭頂部も地肌がかなり見えているといった進行したAGAでは、より強力なデュタステリドの方が効果的な可能性があります。

結婚式などイベントまでに少しでも髪を増やしたい

フィナステリドでは心許ない気がして不安

という場合も、最初からデュタステリドを希望される患者さんもいます。

こうした効果最優先のケースでは、医師と相談の上でデュタステリドを選ぶ価値はあるでしょう。

要するに、基本はフィナステリドから開始し、必要に応じてデュタステリドという流れが標準です。

ただし患者さんの優先事項(安全性重視か効果重視か)や症状の重さによって柔軟に選択肢を変えることもあります。

初回診察時には、あなたの薄毛の程度・ライフスタイル・価値観をしっかり医師に伝え、最適な治療計画を立ててもらいましょう。

フィナステリドとデュタステリドの判断基準② フィナステリドからの切り替えタイミング

現在フィナステリドを服用中だが効果に満足できない場合、デュタステリドへの切り替えが選択肢に上がります

切り替えのタイミングについて目安を示すと、フィナステリドを最低半年~1年は続けた上で判断するのが一般的です。

というのも、AGA治療薬は効果が出るまでに数ヶ月、見た目に変化がわかるまで6~12ヶ月かかるため、短期間で結論を出すのは早計だからです。

まずはフィナステリドで抜け毛抑制・維持効果を実感できているか、写真記録などをもとに確認しましょう。

次のような場合は切り替えを検討します。

フィナステリドで現状維持はできているが発毛が乏しい

6~12ヶ月服用して抜け毛減少や維持効果はあっても、密度が上がったり毛が太くなったりするといった改善が見られない場合、デュタステリドにステップアップする価値があります。

デュタステリドへの変更でさらに毛量が増加したとの報告も多く、停滞した効果を打破できる可能性があります。

フィナステリド服用中も薄毛が進行してしまう

服用1年以上経ってもなお抜け毛が減らず、薄毛範囲が広がっている場合は、フィナステリドの効果不十分と考えられます。

この場合もデュタステリドへ切り替え、より強力にDHTを抑制する方向へ舵を切ります。

フィナステリドの効果が頭打ちになった

初期には効果を感じたが、その後維持止まりで更なる改善が見られなくなったケースです。

例えば2~3年フィナステリドを続けている患者さんで、

最初の1年で改善した後は横這いだが、もっと発毛したい

という希望がある場合、デュタステリドへ変更することで再び毛量アップを狙うことがあります。

切り替えにあたっては、基本的にフィナステリドの服用を中止した翌日からデュタステリドの服用を開始して問題ありません。

フィナステリドが抜けてデュタステリドの血中濃度が安定するまで若干の経過をみるため、切り替え後も3~6ヶ月程度は評価期間と考えましょう。

なお、デュタステリドへの変更時にも初期脱毛が起こる可能性があります

特にフィナステリドで抑えきれなかったI型酵素由来のDHTが新たに減少することで、一時的に抜け毛が増えるケースが考えられます。

しかしこれも一過性であり、デュタステリドがしっかり作用しているサインでもありますので、慌てずに経過を見てください。

フィナステリドとデュタステリドの判断基準③ 年代・症状進行度別の推奨

年代や薄毛の進行度によっても、適した薬の選択が変わることがあります。

一般的な傾向をまとめると次の通りです。

20~30代の比較的若年・初期のAGA

この層ではまずフィナステリドから開始するケースがほとんどです。

若いほどホルモン感受性が強く、フィナステリドでも十分な効果が出やすいこと、また将来的に薬が効かなくなった場合のストックとしてデュタステリドを残しておく意味もあります。

例えば20代でM字がやや気になる程度ならフィナステリドで抑制可能ですし、30代前半で頭頂部が薄くなり始めたくらいならフィナステリド+ミノキシジル併用で改善するケースが多いです。

40代以上・進行したAGA

ある程度年齢が高く薄毛も進行している場合、デュタステリドを含め早期から積極的に治療することが検討されます。

40代ではAGA歴も長くなりがちで、フィナステリド単剤では改善が限定的なこともあります

また男性ホルモン値は加齢で低下傾向にありますが、それでも進行したAGAには強力なDHTブロックが有効です。

広範囲に薄毛が及ぶ50代男性などは、デュタステリド+ミノキシジル併用など複数の治療を組み合わせることも視野に入ります。

生え際(M字)の薄毛が主訴

生え際の後退はAGA治療で難しい部位の一つですが、デュタステリドの方がアプローチしやすいとされています。

I型酵素が関与する側頭部~前頭部の薄毛には、I型もブロックできるデュタステリドが有利だからです。

従ってM字ハゲを何とかしたいという方にはデュタステリドを検討します。

ただし生え際は血流も少なく薬の効果が出にくいため、外用のミノキシジルや育毛メソセラピーなど他の治療法との併用も考慮されます。

頭頂部中心の薄毛が主訴

頭頂部(つむじ周辺)の薄毛はAGAの中でも治療効果が現れやすい部位です。

ここだけが気になるという場合、フィナステリドだけでも十分改善が期待できます。

デュタステリドを使ってももちろん構いませんが、フィナステリドで経過良好なら無理に変更する必要はありません

頭頂部はフィナステリドの得意分野と心得てくおきましょう。

以上はあくまで一般論で、実際は個々人のAGAの状態やリスク許容度によります

例えば30代でも急速に進行する家系のAGAなら早めにデュタステリドに移行することもありますし、50代でも副作用懸念が強ければフィナステリドを続ける選択もあります。

年代や進行度は目安として捉え、最終判断は専門医の意見を仰ぐのが賢明です。

フィナステリドとデュタステリドの判断基準④ 副作用リスクを重視する場合の選択

効果よりも安全性を最優先したい

という慎重派の方もいるでしょう。

その場合の判断基準としては、やはりフィナステリドの方が無難と言えます。

理由は繰り返しになりますが、半減期が短く体への残留が少ないこと、長期データが豊富で重大な副作用の蓄積報告がないことです。

デュタステリドは効果が高い分、どうしても「強い薬」というイメージがあり、副作用リスクがゼロではありません

特に性機能低下に対する不安が強い方は、まずフィナステリドから始めて様子を見るのが良いでしょう。

副作用リスクを抑える工夫として、ミノキシジル(外用)の併用や生活習慣の改善も有効です。

たとえばフィナステリド+ミノキシジル外用を併用すれば発毛効果を底上げでき、副作用リスクを上げることなくデュタステリド並みの効果を目指せる可能性があります。

また睡眠・食事・ストレス管理など生活面を整えることで髪の成長環境を良くし、薬に頼りきらないアプローチも大切です。

そうすることで最低限の薬効でも最大の結果を得ることにつながります。

もしフィナステリドでも副作用症状が出てしまった場合は、デュタステリドへの変更は避けるべきです。

フィナステリドで問題が出た人がデュタステリドで問題なくいける保証はなく、むしろ強力な分リスクが高まる可能性もあります。

そうした場合は薬を減量する、あるいは思い切って内服薬以外の治療法(外用薬や自毛植毛など)に切り替えることも検討しましょう。

安全志向の方は、常に主治医に不安を伝えながら慎重に治療を進めることが重要です。

医師との信頼関係の中で、自分のリスク許容度に見合った治療計画を立ててもらってください

フィナステリドとデュタステリドでの治療開始時の重要な確認事項

最後に、これからフィナステリドまたはデュタステリドでAGA治療を始める際に確認しておきたいポイントをまとめます。

安全かつ効果的に治療を進めるために、以下の3つの内容について解説します。

治療開始前に不安や疑問を潰しておき、万全の体制でAGA治療に臨みましょう。

フィナステリドとデュタステリド服用の医師との相談ポイント

AGA治療薬を服用するにあたり、診察時に医師としっかり話し合っておきたいポイントがあります。

以下の点を事前に相談・確認しておきましょう

現在の薄毛の状態と今後の進行予測

医師に自分の薄毛部位や進行スピードを評価してもらいましょう。

その上で、どの薬が適切か・治療目標は何かを共有します。

例えば生え際にも効果を出したいといった希望があれば伝え、デュタステリドの必要性も含めて判断してもらいます。

副作用に対する不安の共有

性機能低下やその他副作用が心配な場合、遠慮なくその不安を伝えてください

医師は過去の症例経験からリスクの程度や対処法を説明してくれるはずです。

絶対安全とは言えないが頻度は数%であること」「出ても軽減することが多いこと」など具体的なデータも聞けるでしょう。

必要なら副作用発現時の連絡方法や診察間隔の設定についても確認しておくと安心です。

妊娠の計画やパートナーへの配慮

将来的に子どもを希望している場合や現在妊活中である場合、その旨を必ず医師に伝えましょう

フィナステリド・デュタステリド服用自体は男性側の妊娠への影響は少ないとされていますが、医師によっては精液検査を提案したり、一時的な休薬を考慮したりすることもあります。

またパートナーが不安に思っている場合、その相談にも乗ってくれるでしょう。

他の持病や服薬との兼ね合い

現在何らかの疾患で治療中の場合や常用薬・サプリメントがある場合も伝えます。

フィナステリド・デュタステリドは重大な飲み合わせ禁忌は知られていませんが、ごく一部の薬剤では血中濃度に影響を与える可能性があります。

基本的には心配いりませんが、全情報を伝えることが大事です。

治療のスケジュールとモニタリング

治療開始後の

  • 通院頻度(通常は初回後1~2ヶ月で経過診察、以降3ヶ月おき程度)
  • 効果判定の方法(写真比較や毛髪ミニチュア化率の観察など)
  • 必要な検査(血液検査の有無とタイミング)

などを確認します。

特にデュタステリドを使う場合はPSA検査の注意などもありますので説明を受けておきましょう

以上のように、疑問点や不安材料は事前に洗い出して医師にぶつけることが重要です。

医師とのコミュニケーションを密にし、「自分専用の治療プラン」を立ててもらうことで安心して治療をスタートできます

遠慮せずに色々質問してみてください。

フィナステリドとデュタステリドでの治療前に知っておくべき制限事項

治療を始める前に、フィナステリド・デュタステリド服用中の制限事項についても把握しておきましょう。

安全に使用するために、以下の点に注意が必要です。

献血の制限

既に説明した通り、フィナステリド服用中は最後の服用から1ヶ月、デュタステリドでは6ヶ月は献血できません

日本赤十字社などでも服用歴の申告が求められています。

社会貢献で献血をしている方はスケジュールに留意しましょう。

妊婦への影響

自分が服用する分には問題ありませんが、妊娠中のパートナーに薬が影響しないよう配慮しましょう。

具体的には、「フィナステリド錠を砕いて触れさせない」「デュタステリドカプセルが破れて中身が漏れたら触れさせない」などです。

性交渉での影響は否定的ですが、懸念が強い場合はコンドームを使用するなどの対応も考えられます。

念には念を入れて妊婦や女性には薬剤を近づけないことが基本です。

未成年や女性への禁止

家族に思春期のお子さんや女性がいる場合、誤って薬を服用したりしないよう厳重に管理しましょう。

特に小さなお子さんがいる家庭では、錠剤の誤飲事故防止の観点からも鍵のかかる場所に保管することが望ましいです。

飲酒・喫煙や生活習慣

適度な飲酒や喫煙が直接薬の効果を減殺することはありません

ただし過度の飲酒は肝臓に負担をかけますし、喫煙は血行不良を招いて発毛にはマイナスです。

治療効果を最大化するためにも、飲み過ぎ・吸い過ぎは控えることをお勧めします。

また睡眠不足や偏った食生活も毛髪には悪影響ですので、規則正しい生活を心がけることが望ましいです。

継続治療の必要性

治療前に認識すべき最も重要な点は、フィナステリド・デュタステリドによるAGA治療は継続が前提だということです。

これらの薬は服用を止めると数ヶ月で効果が消失し、ヘアサイクルが再び乱れて元の薄毛状態に戻ってしまいます

一時的に毛が増えても、中断すればAGAの進行は再開するのです。

したがってある程度生えたらからといって治療を終了できない点に留意しましょう。

経済的・精神的にも無理なく長期継続できる体制を整えることが大切です。

以上の制限事項を踏まえ、治療に入る準備をしましょう。

特に周囲への影響や自己管理面でいくつか注意が必要ですが、それほど難しいことではありません。

医師から処方時に説明があるはずですので、しっかり聞いて理解しておいてください。

フィナステリドとデュタステリドの他の治療法との併用可否

AGA治療では内服薬以外にも様々なアプローチがありますが、フィナステリド・デュタステリドと他の治療法の併用は可能なのでしょうか?

主なケースごとに解説します。

ミノキシジルとの併用

ミノキシジルは併用推奨です。

ミノキシジルは発毛を促進する外用薬(市販のリアップなど)や内服薬として用いられますが、フィナステリド/デュタステリドと作用機序が異なるため相乗効果が期待できます。

実際、臨床現場でも内服薬(フィナorデュタ)+ミノキシジル外用の組み合わせは標準的な治療とされています

特に生え際など、フィナステリド/デュタステリドだけでは弱い部分の発毛を補強できる利点があります。

したがって基本的に両者の併用は可能かつ有効です。

内服のミノキシジルタブレット(ミノタブ)に関しては、副作用管理が必要なので医師の指導下で行いましょう

フィナステリドとデュタステリドの併用

フィナステリドとデュタステリドを同時に併用するメリットはほぼありません

デュタステリドが既にI型II型両方を阻害するため、フィナステリドを加えても阻害効果が上乗せされることは限定的です。

それどころか副作用リスクだけが増加しかねません。

したがって両者はどちらか一方を選択してください。

また「隔日でフィナとデュタを交互に飲む」等の方法も推奨されません。

血中濃度管理が複雑になるだけでエビデンスもありませんので、一貫した服用法を守りましょう

自毛植毛やメソセラピーとの併用

自毛植毛やメソセラピーとの併用も可能です。

自毛植毛手術を受けた後も、移植していない既存の毛髪のためにフィナステリド/デュタステリドでAGA抑制を続けることが推奨されます。

むしろ植毛後に内服をやめてしまうと、せっかく植えた毛以外が脱落し続ける恐れがあります。

同様に、成長因子注射など育毛メソセラピーとフィナステリド/デュタステリドの併用も問題ありません

内服薬で土台を守りつつ、外科的・物理的治療で毛量を増やすという総合的な戦略が取れます。

育毛剤やサプリとの併用

市販の育毛トニックや育毛シャンプー、亜鉛サプリメントなどはフィナステリド/デュタステリドと併用しても構いません。

ただし、残念ながら育毛剤の多くは科学的根拠が乏しく、AGAへの劇的効果は期待できません

サプリも栄養補助にはなりますが薬の代わりにはなりません

あくまで補助的な位置づけとして併用するのは自由ですが、メインのAGA治療はフィナステリド/デュタステリド(+ミノキシジル)の軸をブレさせないようにしましょう。

他の脱毛治療(円形脱毛症等)との関係

フィナステリド/デュタステリドは男性ホルモン型の脱毛症(AGA)にしか効きません

円形脱毛症など自己免疫性の脱毛症治療薬とは全く作用が違うため、併用しても特に問題はありません。

AGA治療中に万一他の脱毛症を併発した場合は、その治療薬との飲み合わせを個別に医師に確認してください。

以上まとめると、フィナステリド/デュタステリドとミノキシジルの併用はぜひ検討すべきであり、フィナとデュタの併用はNGという点が重要です。

その他の治療法とは併用可能なものが多いですが、何か追加する際は主治医に事前相談するようにしましょう。

特に内服薬を自己判断で増減させるのは避け、安全第一で治療を続けてください

フィナステリドとデュタステリドの料金・継続性の比較

AGA治療は長期戦になるため、治療費用と経済的な継続性も大事なポイントです。

最後に、以下の内容について説明します。

治療効果だけでなく費用対効果も考慮して、自分に合った治療計画を立てましょう。

フィナステリドとデュタステリドの薬価・ジェネリックの価格差

フィナステリドとデュタステリドの価格は、先発薬かジェネリック薬かによっても異なりますが、一般的な相場感を示します。

フィナステリド(プロペシア)先発品

1ヶ月分(28錠)で約8,000~10,000円程度です。

クリニックによって多少異なりますが、1錠あたり300円前後が目安です。

フィナステリドのジェネリック

1ヶ月分(28錠)で約3,000~6,000円程度です。

先発よりかなり安価で、1錠あたり100~200円程度まで下がります。

現在国内で複数メーカーのジェネリックが出ており、競争原理で価格が低下しています

デュタステリド(ザガーロ)先発品

1ヶ月分(30錠)で約8,000~10,000円程度です。

薬局やクリニックによりますが、フィナステリド先発と同程度かやや高いくらいです。

税込だと1錠あたり350円前後でしょう

デュタステリドのジェネリック

1ヶ月分(30錠)で約6,000~7,000円程度です。

1錠あたり200円ちょっとと、先発より2~3割ほど安い計算です。

デュタステリドの国内ジェネリックは2020年発売開始と歴史が浅いため、フィナステリドほど極端に安価にはなっていませんが、それでも負担軽減になります。

※上記は自由診療(保険適用外)で処方を受けた場合の薬代相場です。別途初診料や再診料がかかるクリニックもありますので、実際の負担額は各医療機関に確認してください。

こうして見ると、フィナステリドのジェネリックが最も割安で、デュタステリド先発品が最も高価となっていることが分かります。

毎月の差額は数千円ですが、年単位では大きな差になります。

経済的に負担が大きいと感じる場合は迷わずジェネリックを活用しましょう。

効果や成分は先発と同等で、安全性も厚労省のお墨付きです。

フィナステリド錠やデュタステリド錠のジェネリックを処方しているクリニックも多いので、希望すれば出してもらえます。

フィナステリドとデュタステリドの長期治療の経済性比較

最後に、長期的な経済負担について考えてみます。

AGA治療は基本的に年単位の継続が必要で、場合によっては10年以上服用を続ける方もいます。

そのため月々数千円の差でも、積もれば大きな差となります。

仮に5年間治療を続けた場合の薬代総額は以下の通りです。

薬剤の種類月額費用・計算式5年間の総額
フィナステリド先発薬約9,000円/月
9,000円×12ヶ月×5年
54万円
フィナステリドジェネリック約4,000円/月
4,000円×12ヶ月×5年
24万円
デュタステリド先発薬約10,000円/月
10,000円×12ヶ月×5年
60万円
デュタステリドジェネリック約6,500円/月
6,500円×12ヶ月×5年
39万円

このように、5年スパンでもフィナステリドジェネリックなら数十万円台前半で済むのに対し、デュタステリド先発だと60万円程度と倍以上の開きがあります。

もちろん効果とのバランスを考えるべきですが、経済的負担をなるべく抑えたい人はフィナステリド+ジェネリックの組み合わせがもっとも有利です。

逆に、費用より効果を優先したいという方は、デュタステリド先発でも問題ないでしょう。

また、治療費用についてはAGA専門クリニックと一般皮膚科の選択も関係します。

専門クリニックでは薬代が比較的割安だったり診察料無料のところもありますが、一方で定期カウンセリング料がかかったり、高額なメニューを勧められるケースもあります。

また、一般皮膚科だと薬価は病院によってまちまちですが、初・再診料が保険適用されて安価になる場合もあります。

トータルコストでどちらが有利かは一概に言えませんが、自宅近くの皮膚科で処方だけもらう方法も費用を抑える一手です。

ただし一般病院だとデュタステリド未取扱や、自由診療価格が割高という可能性もあるため、事前に電話で価格を聞いてみると良いでしょう。

いずれにせよ、ご自身が無理なく支払っていける範囲で治療を続けることが何より大切です。

途中で費用負担に耐えられず中断してしまっては元も子もありません。

費用面が心配な方は、医師に正直に相談してみてください。

ジェネリックへの切り替えや処方日数の調整、他の安価な治療法の提案など、何かしら負担軽減のアドバイスをしてくれるはずです。

まとめ

フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)は、ともにAGA治療の中心的な内服薬として高い効果が認められています

フィナステリドは5αリダクターゼII型のみを阻害し主に頭頂部に効果的で、デュタステリドはI型・II型両方を阻害するため頭皮全域に作用し約1.6倍の発毛効果を示します。

副作用は両薬とも性機能低下や肝機能値上昇などがありますが、頻度は数%程度で安全性は概ね同等です。

初めての治療なら、実績とコストパフォーマンスに優れるフィナステリドが第一選択です。

生え際の薄毛や進行が強いケース、フィナステリドで効果不十分な場合はデュタステリドを検討します。

費用面では、フィナステリドのジェネリックが月3,000〜5,000円程度、デュタステリドは月6,000円前後です。

「安全性重視のフィナステリド」と「効果重視のデュタステリド」のどちらを選ぶべきか、迷った場合はまずフィナステリドから始めるのが無難です。

専門クリニックでの相談により、あなたに最適な治療プランを見つけましょう

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