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薄毛治療の効果には期待したいけれど、副作用が心配で一歩を踏み出せずにいる方も多いでしょう。
デュタステリド(ザガーロ)はAGA治療において高い効果を発揮する一方で、副作用への不安から服用をためらう方が多いのも事実です。
この記事では、デュタステリドの具体的な副作用とその発生頻度、副作用が出てしまった場合の適切な対処法、さらには服用できない人の条件や併用時の注意点まで、医師の視点から詳しく解説します。
副作用への不安を解消し、安心して治療を受けるためのポイントを一緒に見ていきましょう。
岩手医科大学大学院卒業後、東京医科大学病院で癌の化学療法の研究を続け、新規の薬剤使用方法の提案を行う。癌患者への結核菌を用いた樹状細胞療法の医師主導治験を大阪大学の医師らと実施。
また、世界初となる呼気(吐いた息)を使用した乳癌検出技術に関し、イスラエル企業と実用化に向けて東京女子医科大学をはじめとする病院群で臨床試験を実施中。
呼気検査という侵襲の低い検査体系で多くの人の早期発見に向けてスクリーニングの改革を進めている。
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デュタステリド(ザガーロ)とは、AGA治療に高い効果を示す薬です。
もともとは前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、男性型脱毛症(AGA)にも効果があることが判明し、AGA治療薬として承認されました。
ザガーロは有効成分デュタステリド0.5mgを含むソフトカプセル製剤で、現在日本でも広く処方されています。
ジェネリック医薬品も販売されており、フィナステリド(プロペシア)の後発薬的な位置付けですが、作用機序に重要な違いがあります。
デュタステリドは、抜け毛の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑える5α還元酵素阻害薬です。
最も重要なポイントは、5α還元酵素の1型と2型の両方を強力に抑制できることです。
これは2型のみを阻害するフィナステリドとの大きな違いといえます。
この特徴により、頭頂部はもちろん前立腺への効果も期待でき、フィナステリドより強力な発毛・抜け毛抑制効果が報告されています。
実際の臨床試験では、デュタステリド0.5mgを12ヶ月以上継続使用することで顕著な毛髪量増加効果が確認されました。
デュタステリドは強力な発毛・抜け毛抑制効果を持つ一方で、副作用リスクもやや高めです。
フィナステリドと同様の種類の副作用が起こり得ますが、発現率がやや高いデータがあります。
そのため、AGAが軽度で予防的に治療を始める段階では、まずフィナステリドから試し、必要に応じてデュタステリドに切り替えるアプローチが推奨される場合もあります。
デュタステリドの服用方法は通常1日1回0.5mg(カプセル1粒)です。
日本では0.1mg製剤も存在しますが、AGA治療では0.5mgが標準用量となっています。
知っておくべき薬の特徴として、消失半減期が非常に長いことが挙げられます。
デュタステリドの体内での半減期は約4〜5週間にも及び、服用を中止しても有効成分が体から完全に抜けるまで数ヶ月かかります。
この長い半減期のおかげで血中濃度が安定し効果が持続しやすい反面、副作用が出た場合に症状が長引きやすいという側面もあります。
また、この性質ゆえに服用中および中止後6ヶ月間は献血禁止という決まりもあります。
それでは、デュタステリドの副作用について詳しく見ていきましょう。
デュタステリドで報告されている主な副作用には、以下のようなものがあります。
デュタステリドの副作用で最も心配される方が多いのが、性機能への影響ではないでしょうか。
実際、男性の性機能に関する副作用は比較的よく報告される項目の一つです。
性機能に関する副作用として以下の症状が挙げられます。
発生頻度は決して高くはなく数%程度ですが、データ上ゼロにすることはできません。
例えば

最近性欲が落ちた気がする

勃起の硬さが以前より弱い
といった変化が、服用開始後数週間〜数ヶ月以内に現れることがあります。
多くの場合、これらの症状は軽度で、薬を中止すれば改善する可逆的なものです。
実際、臨床試験ではデュタステリド服用4年後には副作用報告が大幅に減少したというデータもあります。
一部では服用中止後も症状が続くと報告された例もありますが、極めて稀で因果関係が議論されている段階です。
こうした性機能への影響が起きる理由は、デュタステリドが男性ホルモン(DHT)の減少をもたらすためと考えられています。
DHTが減ることで、性欲や勃起に関与するホルモンバランスが一時的に変化する可能性が指摘されています。
ただし、プラセボでも少なからず性機能症状を訴える人がいることから、心理的要因(薬を飲んでいる不安など)も影響し得る点には留意が必要です。
症状が軽度で日常生活に支障がなければ経過を見ても良い場合があります。
服用を続けるうちに体が慣れ、症状が改善するケースもあると言われています。
症状が気になり始めたら早めに医師に相談しましょう。
例えば「夜間勃起が減った」「性行為でうまく勃起維持できない」といった具体的な状況を伝えることで、医師も重症度を判断できます。
場合によっては一時的に服用間隔を空ける調整や、フィナステリドへの変更など対応策が考えられます。
デュタステリドは肝臓で代謝される薬であるため、ごく稀に肝機能障害を引き起こす可能性があります。
具体的には、AST(GOT)やALT(GPT)といった肝酵素値の上昇が見られるケースが報告されています。
肝機能障害の兆候としては以下が挙げられます。
特に黄疸が出た場合は重度の肝機能低下を示唆しますので、躊躇せず受診してください。
肝臓に持病がある方(肝炎や肝硬変など)や、他に肝臓へ負担をかける薬を併用している方では、健常な方以上に注意が必要です。
こうした方はデュタステリドの代謝が遅れ、血中濃度が高くなりやすいと考えられるため、副作用のリスクも上がり得ます。
定期的な血液検査で肝機能(AST/ALT値)をチェックすることが推奨されます。

飲み始めてから妙にだるい

胃のあたりが重苦しい
といった時には放置せず、必ず医師に連絡・相談してください。
早期に対処すれば深刻化を防げます。
デュタステリドなど5α還元酵素阻害薬の服用で、男性の乳房に変化が起こることがあります。
これは頻度は1%未満と低いものの、覚えておきたい副作用です。
具体的には以下の症状が報告されています。
俗に「女性化乳房」などとも呼ばれる症状で、男性ホルモンと女性ホルモンのバランス変化によって乳腺組織が刺激されることが原因と考えられます。
デュタステリドによってDHTが強力に抑えられると、相対的にエストロゲンの影響が強まり、一部の人で乳房組織が反応してしまいます。
症状としては、胸のハリや触れると痛い感じ、しこりのようなものを触知する場合もあります。
軽度で痛みがわずかな場合は経過観察となることもありますが、症状が続く・強くなる場合は注意が必要です。
稀ではありますが、男性乳がんとの区別も必要になるケースがあります。
乳房に明らかなしこりを感じる、乳頭から分泌物が出るといった異常があれば必ず医療機関で検査を受けましょう。
症状が軽ければ様子を見る選択もあります。
しかし痛みが強かったり見た目の変化が気になるようであれば、医師に相談して服用継続の是非を検討してください。
必要に応じて乳腺エコー検査等で良性かどうか確認することもできます。
症状が薬によるものと判断されれば、薬の中止により改善が期待できます。
デュタステリド服用中に、

なんとなく気分が落ち込みやすい

不安感が強くなった

やる気が出ない
といった精神・神経症状を感じる方がごく稀にいらっしゃいます。
デュタステリドの直接的な副作用として以下が報告されています。
頻度としては1%未満と非常に低いのですが、副作用リストに挙がっている以上、注意は払っておくべきでしょう。
メカニズムは明確ではありませんが、ホルモン環境の変化(DHTの減少)は脳内神経伝達にも何らかの影響を及ぼす可能性が指摘されています。
特に元々うつ傾向のある方や不安障害をお持ちの方は、症状が悪化しないか経過を見る必要があります。
重要なのは、自分だけで抱え込まないことです。
もしデュタステリドを飲み始めてから「気分が沈みがち」「集中力が続かない」などの変化に気付いたら、我慢せず医師へ相談してください。
精神的な症状は本人にも自覚しづらい場合がありますが、周囲から元気がないと指摘されたり、自分で異変を感じたりしたら早めに伝えましょう。
実際のところ、デュタステリドでうつになる頻度が低いため、大多数の方は当てはまりません。
しかし、真偽に関わらず自身のメンタルヘルスに変化を感じたら放置しないことが肝心です。
AGA治療経験者の間でよく知られる現象に「初期脱毛」があります。
これは治療開始後一時的に抜け毛が増える現象で、デュタステリドでも起こり得ます。
副作用というより治療反応の一環とも言われますが、患者さんから見ると

薬を飲み始めた途端に抜け毛が増えた!副作用では?
と不安になることがあります。
初期脱毛が起こる理由は、薬の作用で毛周期が正常化する過程だと考えられています。
AGAでは成長期が短縮し休止期の髪が増えていますが、デュタステリドでDHTが抑制されると乱れたヘアサイクルが整い始め、その過程で一旦休止期の毛が抜け落ちることがあります。
見方を変えれば新しい髪が生えてくる準備段階であり、抜け毛が増えるのは一時的な好転反応とも言えるのです。
典型的には服用開始から1〜3ヶ月の間に初期脱毛がみられることが多いです。
抜け毛の本数が増えて驚くかもしれませんが、通常は数週間〜数ヶ月で治まります。
そしてその後は抜けにくくなり、新たな発毛効果が実感できるようになるはずです。
想像以上に抜けて不安に耐えられない
という場合は主治医に相談してください。
多くの場合は「初期脱毛は一過性なので心配いりません」と説明を受け、そのまま継続するケースがほとんどです。
むしろ初期脱毛を乗り越えた先にしっかり効果が出ることが多いので、過度に怖がらず冷静に捉えましょう。
上記以外にも、デュタステリドでは様々な副作用が頻度は稀ながら報告されています。
代表的なものをいくつかご紹介します。
発疹・蕁麻疹・かゆみなどのアレルギー反応が出ることがあります。
たいていは軽い湿疹程度で収まりますが、まれに重篤な皮膚症状(広範な蕁麻疹や顔面の浮腫など)に発展する恐れもあるため注意が必要です。
これはデュタステリド成分に対する過敏症反応によるもので、もし服用後に皮膚の異常を感じたらすぐに使用を中止し医師の診察を受けるようにしてください。
頭痛は服用初期に現れることがあり、一過性の不調として報告されています。
これらは頻度も低く大抵は一時的ですが、日常生活で気になるレベルなら医師に相談しましょう。
興味深いことに、デュタステリドの作用で頭髪以外の毛にも変化が起きる例があります。
添付文書には「脱毛症(主に体毛脱落)」および「多毛症」が副作用として記載されています。
つまり、体毛が薄くなるケースや逆に体の一部の毛が濃くなるケースが報告されているのです。
DHTは体毛の発育にも関与するため、抑制されることで体毛が減ることは理論上起こりえます。
腹部の不快感・腹痛・下痢などの消化器系の症状も時折報告されています。
これらは軽微なことが多く、一過性だったり食後に服薬することで軽減したりする場合もあります。
胃腸が弱い方はなるべく食後に飲む、水を多めに飲むなどの工夫をするのがおすすめです。
また、倦怠感(疲労感)も挙げられます。
なんとなく常に体がだるい、疲れやすいといった場合、デュタステリドの影響の可能性があります。
また、筋肉関連の数値でCK(クレアチンキナーゼ)の血中濃度上昇が報告されることがあります。
重要なポイントとしては、その他の副作用はいずれも発生頻度が高くないということです。
多くの方はデュタステリドを服用しても、ここに挙げたような症状は全く経験しないか、仮にあっても軽微で済みます。
些細なことでも主治医に伝えれば、適切なアドバイスや検査をしてくれます。
複数の臨床研究データから推計されたデュタステリドの副作用の発生頻度をご紹介します。
性機能に関する副作用は数%程度とされており、具体的には以下の通りです。
試験によってばらつきがありますが、最大でも1割前後の頻度です。
フィナステリドでの同様の副作用頻度(一般に1〜5%未満)よりやや高めという結果になっており、デュタステリドの方がわずかにリスクが高い傾向にあります。
一方、肝機能障害や黄疸といった重篤な副作用は極めて稀ながら報告されています。
重要なのは、これらデュタステリドの副作用の多くは、服用を中止すれば回復する可能性が高いという点です。
実際、臨床試験や使用経験上も、副作用症状は薬を止めれば消失・改善するケースがほとんどです。
ただし、ごく稀に投与中止後も性機能障害が持続したとの報告もあり、完全にゼロリスクとは言えません。
実際に副作用らしき症状が出てしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
デュタステリドの副作用が起こった際の基本的な対処方法は、主に以下の3点です。

デュタステリドの副作用が出たらすぐ薬をやめるべき?
という疑問は多くの方が抱くと思います。
結論から言えば、症状の程度と種類によって判断が分かれます。
命に関わる、または重篤な症状の場合はただちに服用中止が原則です。
一方、性機能の軽度な低下で日常生活に大きな支障はないが気になるといった中程度の症状の場合は、基本的にはすぐ中止しなくても大事には至りませんが、そのまま我慢してストレスになるのも良くありません。
まず医師に相談し、一定期間様子を見ることをおすすめします。
一時的な頭痛やなんとなく疲れやすい気がする程度の軽微な症状の場合は、副作用かどうかも判断がつきにくく、他の要因かもしれません。
こうした場合は無理に中止する必要はありませんが、注意深く経過を見ることが大切です。
最も大切なポイントは「自己判断だけで勝手に中断しない」ということです。
軽い症状で不安になってすぐやめてしまうと、AGA治療の効果も得られなくなってしまいます。
迷ったら医師に相談し、その指示に従うのが最善と言えます。

デュタステリドの副作用かな?
と感じる症状が出たら、なるべく早めに医師に相談しましょう。
効果的な相談をするためのポイントをお伝えします。
まず症状の具体的な内容と経緯をメモしておくことが重要です。
例えば「○月○日頃から朝起きたときに頭痛がするようになった」「服用開始3週間後くらいから性欲が低下した気がする」など、症状の種類・程度・出始めた時期を整理しておくと医師に伝えやすくなります。
性機能の悩みや精神面の不調など、言いにくい内容ほど隠さず正直に話してください。
医師はこういった相談に慣れていますし、一人で我慢する必要は全くありません。
また、医師からの問診に答えるだけでなく、
など、納得できるまで質問することも大切です。
副作用と思っていた症状が、実は別の薬との相互作用や生活習慣に起因している場合もあります。
現在服用している他の薬やサプリ、生活上の変化も合わせて伝えましょう。
相談の結果、「あと1ヶ月様子を見ましょう」「一旦お薬を中止しましょう」といった方針が示されますので、不安が残らないように確認しておくことが重要です。
デュタステリドの副作用を和らげたり防いだりする上で、日頃の生活習慣も実は無視できません。
副作用リスクを下げ、症状を軽減するために心がけたい生活上のポイントをご紹介します。
デュタステリドは肝臓で代謝されるため、アルコールの大量摂取は肝臓へ余計な負担をかけます。
肝機能障害のリスクを極力下げるためにも、飲酒は適量に留め、休肝日を設けるなど肝臓に優しい生活を心がけましょう。
睡眠不足や慢性的なストレスは、それ自体が性機能低下や抑うつ気分の原因になりえます。
副作用でそうした症状が出ているのか、生活習慣で悪化しているのか判別しづらいこともあります。
運動習慣は全身の血行を良くし、ストレス解消にも役立ちます。
軽いジョギングや筋トレは男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促すとも言われ、性欲低下などの緩和につながる可能性があります。
また、デュタステリドは決められた用法を守ることが大切です。
デュタステリドはAGA治療に有用な薬ですが、誰もが安全に服用できるわけではありません。
いくつか明確な禁忌(この薬を使えない条件)が定められており、また慎重投与が求められるケースもあります。
デュタステリドを服用できない人をまとめると以下の通りです。
これらに当てはまる方は、別の治療法を検討する必要があります。
ここでは、デュタステリドを服用してはいけない人の条件について詳しく説明します。
デュタステリドは男性専用の薬であり、女性や未成年(18歳以下)には使用できません。
特に妊娠中の女性や妊娠の可能性がある女性にとって、この薬は厳禁です。
デュタステリドを女性が服用したり、妊娠中の女性が薬の成分に触れてしまった場合、胎児(特に男児)の生殖器発育に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
これはデュタステリドがDHTを抑える作用そのものが、男性胎児の正常な性器形成を阻害してしまうためです。
カプセルにコーティングがされているため通常の取り扱いで薬剤が漏出することはないですが、誤ってカプセルが破損したり砕けたりした場合に触れると経皮吸収する恐れがあります。
このため、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性はデュタステリドの入った容器に触れたり、男性が服用するのを手伝ったりしないよう徹底する必要があります。
また、女性全般に関して言えば、デュタステリドは女性の薄毛(いわゆるFAGA)には効果がないとされ、副作用リスクが大きすぎるため原則処方されません。
未成年については、18歳以下の方には安全性・有効性が確立されておらず、男性ホルモン系に作用する薬のため発育への影響が懸念され使用禁止となっています。
重い肝臓の病気を持つ方にもデュタステリドは基本的に使用できません。
デュタステリドは肝代謝型の薬剤であり、肝臓がしっかり働いていないと体内に蓄積しやすくなります。
したがって、重度の肝機能障害がある方では安全に服用できない恐れがあります。
具体的に言うと、以下のような疾患が該当します。
こうした状態では、デュタステリドの代謝・排泄が滞り、血中濃度が通常以上に上昇して副作用が出やすくなるリスクがあります。
また、過去に肝障害を起こしたことがある人(例えば他の薬で肝炎を発症した経験がある等)も慎重投与となります。
事前に肝機能検査値(AST/ALTやγ-GTPなど)に明らかな異常がある場合、医師はデュタステリドの処方を控えるかもしれません。
もしAGA治療を希望する方で肝臓の持病がある場合は、必ず医師にその旨を伝えてください。
重症度によってはフィナステリドなど他の薬も難しいケースもありますが、症状が落ち着いているなら医師が慎重に判断して処方することもあります。
過去にデュタステリドに対してアレルギー症状を起こしたことがある方、または本剤成分に対する重篤な過敏症の既往がある方も服用禁止です。
アレルギーは一度起こると、再度接触した際により重篤になり得るため、大原則として再投与はしません。
デュタステリド自体は比較的新しい薬なので「過去にデュタステリドでアレルギーを起こした」という人は少ないかもしれませんが、カプセルの添加物などにも注意が必要です。
稀に薬そのものではなく、薬に含まれる保存料や着色料でかぶれたり喘息様症状を起こす人もいます。
そのため、カプセル成分(ゼラチンなど)にアレルギーがある場合もやはり避けるべきでしょう。
また、厳密にはフィナステリドでアレルギーを起こした方も慎重に扱われます。
構造は異なる薬ですが作用が似ているため、安全を期すならデュタステリドも避ける選択が考慮されます。

以前この薬で発疹が出た

薬を飲んだら呼吸が苦しくなった経験がある
といったことを正確に医師に伝えることが重要です。
それに基づき医師が処方可否を判断してくれます。
デュタステリドを安全に服用するための注意点や、併用してはいけない薬・避けるべき組み合わせについて解説します。
デュタステリドは比較的安全性の高い薬ですが、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
特に以下の3つは重要です。
デュタステリドは主に肝臓のCYP3A4という酵素で代謝されます。
そのため、CYP3A4を強力に阻害する薬と一緒に服用すると、デュタステリドの代謝が遅れて血中濃度が上昇する可能性があります。
結果として、副作用が出やすくなるリスクがあります。
代表的なCYP3A4阻害薬には次のようなものがあります。
これらを服用している方は、デュタステリドとの併用に注意が必要です。
CYP3A4を強く阻害する薬剤との併用で血中デュタステリド濃度が上昇する可能性が報告されています。
また、他の5α還元酵素阻害薬との重複も避けてください。
フィナステリドやアボルブなどとの併用は推奨されません。
作用が重複しすぎてDHTを過度に抑え、副作用リスクが不必要に高まる恐れがあります。
デュタステリドを処方してもらう際や服用中に新たに薬を飲む際は、必ず医師・薬剤師に併用薬を伝えることが大切です。
特に上記のような強い阻害薬を飲んでいる場合は、デュタステリドの投与自体を見合わせるか、慎重にモニタリングしながらの投与となります。
デュタステリドを服用していると献血が制限されます。
具体的には、服用中は献血禁止、さらに中止後も6ヶ月間は献血を控える必要があります。
これは、デュタステリドの成分が献血した血液を通じて輸血先に移行するリスクがあるためです。
特に妊娠中の女性に輸血された場合、その血液中のデュタステリドが胎児(男児)に悪影響を与える可能性があるのを防ぐための措置です。
デュタステリドは半減期が長いため、中止後しばらくは血中に残存し、日本赤十字社でもデュタステリド使用者の献血は中止後6ヶ月を経過するまで認めていません。
この措置はフィナステリド(中止後1ヶ月献血不可)よりも厳格で、デュタステリドの方が体内残存期間が長いためです。
AGA治療中に献血する場合、自分がデュタステリドを飲んでいるかどうかをよく確認してください。
献血会場でも問診票にこれらの薬を服用中かどうかチェック項目がありますので、正直に申告してください。
裏を返せば、デュタステリドをやめてから半年経てば献血可能となります。
AGA治療世代の男性の中には、

そろそろ子どもが欲しいけれど、デュタステリドを飲み続けても大丈夫だろうか?
と心配になる方もいるでしょう。
まず大前提として、男性がデュタステリドを飲んでいること自体が直接胎児に害を与えるというエビデンスはありません。
実際、デュタステリド発売以降、服用中に子作りをして男性胎児や母体に悪影響があったという報告はなく、製薬会社の試験でも服用男性のパートナーの妊娠経過に問題が起きた割合は偽薬群と差がなかったとのデータがあります。
ただし、デュタステリド服用男性の精液中には微量ながら薬剤が含まれることが知られています。
デュタステリドの半減期が約5週間と長いため、最低でも妊活開始の1〜2ヶ月前には休薬することが推奨されます。
また、デュタステリドは総精子数や精液量を約20〜30%減少させますが、これらの変化は服用中のみで、中止すれば3〜4ヶ月程度で元に戻ります。
結論として、妊活中のデュタステリド服用はケースバイケースです。
大切なのは、夫婦で話し合い医師の意見も聞いて決めることです。
近年、インターネットの発達によりAGA治療薬を海外から安く購入するといった個人輸入が手軽になっています。
しかし、デュタステリドを個人輸入で入手して自己判断で服用することには大きな危険が伴います。
ここでは、個人輸入のリスクと、AGA治療薬は必ず医療機関で処方してもらうべき理由について説明します。
海外から個人輸入できるデュタステリド製剤は、その成分や含有量、製造工程の品質が担保されていません。
実際、国内外で個人輸入薬に偽造薬が混入していた事例は多数報告されており、有効成分が全く入っていなかったり、逆に有害な物質が入っていたりする危険があります。
個人輸入薬による重大な健康被害も報告されています。
個人輸入ザガーロを服用した日本人男性が重篤な肝障害を起こし亡くなった例もあり、海外製の安価なジェネリックには規格外の不純物や規定を超える有効成分が含まれていた例もあるなど、非常に危険です。
さらに、個人輸入薬で副作用が出ても、日本の医薬品副作用被害救済制度は国内承認薬を正規に使用した場合でないと適用されません。
個人輸入薬で健康被害が出ても、公的な救済措置の対象外となってしまいます。
AGA以外の脱毛症だった場合、デュタステリドを飲んでも効果はなく副作用リスクだけ負うことになり、自分の体質や他の持病との相性をチェックできないため、本来禁忌の人が飲んでしまう事故も起こりえます。
医療機関で処方されるデュタステリドは国の承認を受けた正規品で、偽造薬の心配がなく品質管理もされています。
医師は患者個々の状態を評価し適切な判断をしてくれ、定期的な診察により副作用の早期発見と対応が可能です。
個人輸入は安価に見えますが、副作用リスクや偽物による損失を考えると、医療機関での正規処方の方が安全で有効です。
最近はオンライン診療やジェネリック薬により安価な治療も可能になっています。
AGA治療薬は医師・薬剤師の管理下で使用することが鉄則で、安全第一で治療を継続することが重要です。
デュタステリドはAGAに高い効果を発揮する内服薬ですが、フィナステリドより副作用発現率がやや高めです。
主な副作用は性機能低下・肝機能障害・乳房障害・抑うつ気分などが報告されていますが、頻度は総じて低く、多くの方は大きな副作用なく継続可能です。
副作用の多くは服用中止により改善しますが、極めて稀に残存する例もあります。
症状の程度に応じて適切に判断し、医師に早めに相談することが重要です。
専門クリニックでは副作用への不安にも丁寧に対応してくれます。
正しく使えば安全な薬であり、医師の管理下での使用により多くの方がAGA治療の成功を目指せます。
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