銀座がん医療クリニック(東京都港区/がん免疫療法) / 膵臓癌の余命はどれくらい?ステージ別生存率と治療の選択肢を解説

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膵臓癌の余命はどれくらい?ステージ別生存率と治療の選択肢を解説

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膵臓癌と診断された方やそのご家族にとって、最も気になるのが「余命」でしょう。膵臓癌は早期発見が難しく進行が早いという特徴がありますが、医療技術の進歩により治療の選択肢は広がっています。

本記事ではステージ別の生存率や余命、治療法について詳しく解説します。

膵臓癌とは?

膵臓は胃の後ろ側、背骨の前に位置する長さ約15cmの臓器です。消化酵素を分泌する外分泌機能と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能を持っています。膵臓癌の約90%は膵液を運ぶ膵管にできる「膵管癌」で、残りの10%は内分泌細胞から発生する「神経内分泌腫瘍」です。

膵臓癌は「がんの王様」とも呼ばれ、日本では年間約4万人が罹患し、死亡者数も同程度という非常に予後が厳しいがんです。

早期発見が難しい理由

膵臓癌が「沈黙の臓器のがん」と呼ばれる理由には、いくつかの要因があります。膵臓が体の奥深くに位置しているため、触診や通常の超音波検査では発見しにくい構造になっています。また、膵臓には痛みを感じる神経が少ないため、腫瘍が小さいうちは自覚症状がほとんど現れません。

さらに膵臓癌に特有の初期症状がなく、腹痛や背中の痛み、黄疸などが出る頃にはすでに進行していることが多いのです。こうした理由から、膵臓癌の約40%は診断時にすでにステージIVの状態であり、手術が可能なステージで発見される患者は全体の20%程度にとどまっています。

膵臓癌のステージ分類と余命の目安

膵臓癌の病期(ステージ)は、以下の要素で0期からIV期まで分類されます。

  • 腫瘍の大きさ
  • 周辺組織への浸潤
  • リンパ節転移
  • 遠隔転移の有無

ステージ0は腫瘍が膵管の内側にとどまっている上皮内癌で、この段階での発見は極めて稀です。ステージIは腫瘍が膵臓内にとどまり、手術による根治が期待できます。ステージIIは腫瘍が膵臓の外に広がっているか近くのリンパ節に転移している状態で、手術に加えて補助化学療法が検討されるのが一般的です。

ステージIIIは腫瘍が主要な血管に広がっており手術が困難なことが多く、化学療法や放射線療法が中心です。ステージIVは肝臓や肺、腹膜などの遠隔臓器に転移している状態で、治療の目標は症状の緩和と生活の質の維持になります。

生存率

膵臓癌の予後を示す重要な指標が「5年生存率」です。全国がんセンター協議会のデータによると、膵臓癌全体の5年相対生存率は約12%程度で、他の主要ながん(胃がん約70%、大腸がん約72%、肺がん約43%)と比較しても著しく低い数値です。

ステージ別では、以下のとおりとなっています。

  • ステージI:約45~50%
  • ステージII:約20~35%
  • ステージIII:約10~15%
  • ステージIV:5%未満

余命の目安として、手術が可能な早期癌では術後補助化学療法を含めて2年半から3年以上、化学療法のみの場合は平均1年から1年半程度、治療を行わない場合は数ヶ月から半年程度が一般的です。

ただし年齢や全身の状態、腫瘍の性質や治療への反応性などによって個人差が大きく、統計の「平均」を上回る方も下回る方もいることを忘れてはいけません。最新の治療法や適切な緩和ケアにより、予想以上に良好な経過をたどるケースも少なくありません。

膵臓癌の主な症状

膵臓癌の症状は腫瘍の発生部位や進行度によって異なります。初期はみぞおちや背中の鈍い痛みが断続的に現れ、食欲不振や体重減少が徐々に進行します。数ヶ月で5~10kg体重が減ることも珍しくありません。理由のわからない倦怠感が続くこともあるようです。

腫瘍が大きくなると、膵頭部にがんができた場合は胆管が圧迫されて黄疸が現れます。白目や皮膚が黄色くなり、尿の色が濃い茶色に変わり、便の色が白っぽくなり、皮膚のかゆみを伴うとされています。腹部や背中の痛みは腫瘍が神経や周囲組織に浸潤することで強くなり、特に食後や夜間に悪化し、前かがみの姿勢で軽減することが特徴的です。

末期になると肝転移により腹水が貯まり、全身の筋肉が減少して極度の疲労感や衰弱が進行します(悪液質)。痛みのコントロールが難しくなり医療用麻薬が必要になることや、食事がほとんど摂れなくなることもあるようです。

膵臓癌の治療法

膵臓癌の治療は、ステージや全身状態、腫瘍の位置などを総合的に判断して決定されます。具体的には、以下の治療法があります。

  • 手術療法
  • 化学療法
  • 放射線療法・免疫療法
  • 阻害薬治療
  • 支持療法

それぞれ詳細を説明します。

手術療法

手術は膵臓癌を完全に治す可能性がある唯一の治療法です。ただし診断時に手術可能なのは全患者の約20%に限られます。

膵頭部にがんができた場合は膵頭十二指腸切除術(ホイップル手術)を行い、膵臓の頭部や十二指腸、胆管、胆嚢を切除します。手術時間は6~10時間、入院期間は2~3週間程度が目安です。

膵体尾部にがんができた場合は膵体尾部切除術を行い、膵臓の左側と脾臓を切除します。術後は再発を防ぐために6ヶ月程度の術後補助化学療法を行うのが標準となっています。

化学療法

化学療法は手術ができない進行膵臓癌の第一選択となる治療法です。FOLFIRINOX療法は4種類の抗がん剤を組み合わせた治療法で、効果は高いものの副作用も強いため、全身状態が良好な患者に限られます。生存期間中央値は約11ヶ月です。

ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法はFOLFIRINOXより副作用が軽度で高齢者にも使用しやすく、生存期間中央値は約8~9ヶ月とされています。ゲムシタビン単独療法は全身状態が良くない患者や高齢者に選択され、副作用は比較的軽微ですが効果もやや限定的です。

近年の化学療法は著しく進歩しており、適切な治療選択により生存期間の延長が期待できるでしょう。

放射線療法・免疫療法

放射線療法は腫瘍の縮小や痛みの緩和を目的に化学療法と併用されます。切除不能な局所進行膵臓癌に対して化学放射線療法を行うことで、腫瘍の進行を抑え症状を緩和し、一部の患者では腫瘍が縮小して手術可能になる場合もあるようです。

定位放射線治療(SBRT)は最新の技術で、がん細胞に高線量の放射線を集中的に照射し、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えます。免疫療法では、がん細胞が免疫システムにかけている「ブレーキ」を解除する免疫チェックポイント阻害薬があります。ただし、膵臓癌では効果が限定的であるため、特定の遺伝子変異(MSI-High、TMB-High)がある患者のみが対象です。

阻害薬治療

分子標的薬はがん細胞の増殖に関わる特定の分子を標的にした治療薬です。膵臓癌ではBRCA1/2遺伝子変異がある患者に対して、オラパリブ(PARP阻害薬)の使用が承認されています。維持療法として使用することで、病勢の進行を遅らせることが期待されているのです。

また、国内外で膵臓癌に対する新しい治療法の臨床試験が数多く行われており、標準治療で効果が得られない場合は臨床試験への参加も選択肢となります。主治医と相談し、自分の状態に合った治療法を探すことが大切です。

支持療法

支持療法は治療に伴う副作用や症状を軽減し、患者の生活の質を維持するための治療です。吐き気や嘔吐に対しては制吐薬を使用し、食欲不振には食欲増進剤や栄養補助食品を活用するのが一般的です。

膵酵素が不足して脂肪便が出る場合は消化酵素剤を補充します。貧血や白血球減少などの血液異常には造血因子製剤を用いることもあります。また、心理的なサポートとして、不安や抑うつに対する精神科的ケアや、患者会などによるピアサポートも重要な支持療法のひとつです。

software interface of cancer treatment machine.

膵臓癌の緩和ケア

緩和ケアは終末期だけでなく、診断直後から治療と並行して受けることが推奨されています。膵臓癌による痛みは適切な医療用麻薬の使用によりほとんどの場合コントロール可能です。WHO方式がん疼痛治療法に基づき、軽度の痛みには非ステロイド性抗炎症薬、中等度の痛みには弱オピオイド、強い痛みには強オピオイド(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなど)を段階的に選択します。

医療用麻薬は適切に使用すれば依存症にはならず、痛みを我慢するメリットは何もありません。精神的サポートとして、精神腫瘍医や臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどの専門家によるケアを受けることで心の負担を軽減できます。

病状が安定していれば、訪問診療や訪問看護、訪問介護などのサービスを組み合わせた在宅緩和ケアも可能です。緩和ケアを活用して、痛みや精神的な負担を和らげましょう。

家族が余命宣告を受けたときにできること

大切な家族が膵臓癌で余命宣告を受けたとき、家族としてどう向き合い何ができるのでしょうか。

まず医師から病状と治療の選択肢、予想される経過について詳しく説明を受け、理解できないことがあれば納得がいくまで質問することが重要です。主治医の説明に納得いかない場合は、セカンドオピニオンを求めることも選択肢のひとつとなります。

治療をどこまで受けるか、最期をどこで迎えたいかなど、本人の価値観や希望を尊重することが何より大切です。話し合いが難しいテーマですが、時間をかけて率直に対話することで後悔のない選択ができます。

また、日常生活においては、家事や食事の準備、通院の付き添いなど実際的なサポートも重要です。すべてを抱え込もうとせず、訪問看護や介護サービスなどの社会資源を積極的に利用しましょう。

限られた時間だからこそ一緒に過ごす時間を大切にし、昔の写真を見返したり、好きな音楽を聴いたり、感謝や愛情の言葉を伝えたりすることで心に残る時間となります。治療費や生活費、相続など経済的な問題についても早めに整理しておくと安心です。

まとめ

膵臓癌は確かに予後の厳しいがんですが、医療の進歩により選択できる治療法は増えています。統計データはあくまで目安であり、個々の患者によって経過は大きく異なります。最も重要なのは正確な情報を得た上で、自分や家族が納得できる治療を選択することです。標準治療や最新の治療法、緩和ケアを適切に組み合わせることで、症状をコントロールしながら限られた時間をより良いものにすることが可能です。

診断を受けた直後は不安や恐怖で心が押しつぶされそうになるかもしれません。しかし、医療チームや家族、友人など周囲のサポートを受けながら一日一日を大切に過ごすことが何より大切です。不安なことや疑問があれば遠慮せず医療チームに相談し、納得のいく医療を受けてください。

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