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今回BCG-CWSに関しての論文を紹介させていただきます。
子宮頸がんの治療には手術、化学療法、放射線治療などが一般的に行われていますが、新たな研究で、これにBCGワクチン(結核菌から作られるワクチン)を使用することにより、治療効果が上がる可能性が認められました。
今回の研究では、2005年から2021年にかけて子宮頸がんの治療を受けた103人の患者さんを対象に、(BCG-CWSワクチンを投与された13例とBCG-CWSを投与されていない対照90例)を後ろ向きに分析しました。
ワクチン接種は、標準治療を始める前か、標準治療を開始した直後に皮膚に繰り返し注射されました。
最初の1か月間は毎週、その後は4週間毎に繰り返されました。
研究の結果、このBCG-CWSワクチンを接種したグループの患者さんは、標準治療のみを受けた患者さんと比べて予後(治療後の経過)が良好であることがわかりました。
がん患者の中には、ワクチンを接種することで病気が再発しても生存するケースも確認されています。
BCG-CWS療法は子宮頸がんに対する効果的な免疫補助療法であると思われますが、これを確認するためにはランダム化比較試験が必要です。
また、このワクチン接種を受けた人の子宮頸がんの進行を遅らせる根本的なメカニズムを明らかにする必要があります。
この研究は、BCG-CWSなどの免疫刺激薬の可能性に光を当て、併用療法におけるがん排除における免疫の重要な役割を示唆しています。
Shibata T, Takata E, Sakamoto J, Shioya A, Yamada S, Takakura M, Sasagawa T. A retrospective study of immunotherapy using the cell wall skeleton of Mycobacterium bovis Bacillus Calmette-Guérin (BCG-CWS) for cervical cancer. Medicine (Baltimore). 2022 Dec 30;101(52):e32481. doi: 10.1097/MD.0000000000032481. PMID: 36595982; PMCID: PMC9803507.
銀座がん医療クリニック 医師
岩手医科大学大学院卒業後、東京医科大学病院で癌の化学療法の研究を続け、新規の薬剤使用方法の提案を行う。癌患者への結核菌を用いた樹状細胞療法の医師主導治験を大阪大学の医師らと実施。
また、世界初となる呼気(吐いた息)を使用した乳癌検出技術に関し、イスラエル企業と実用化に向けて東京女子医科大学をはじめとする病院群で臨床試験を実施中。
呼気検査という侵襲の低い検査体系で多くの人の早期発見に向けてスクリーニングの改革を進めている。
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